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2021.11.16用語

「ゴシック体」と「明朝体」の特徴と人に与える印象

はじめに

こんにちはデザイナーの久保田です。

フォントは情報を伝える上でとても重要な役割を持ちます。
使うフォントの種類、大きさ、太さによって見る人に与える印象は大きく変わるため、フォント選びはデザインする上でとても重要な要素になってきます。

しかし、ゴシック体や明朝体といった種類があるのは知っているけど、それぞれの書体がどのうような特徴をもっているのか知らない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、日本語フォントの代表格「ゴシック体」と「明朝体」の特徴やフォントが読む人に与える印象などについてまとめてみました。

ゴシック体とは

うろこ(三角形の山)のない書体のことの全般を総称して「ゴシック体」と呼び、もっとも基本的な書体のひとつです。
端が角張っているものを「角ゴシック」、端が丸いものを「丸ゴシック」と言います。線の幅や字形によって多くの種類のゴシック体があります。
活版印刷の普及とともに、見出しなどに使用されることを目的として作られた書体です。

●ゴシック体の特徴

ゴシック体は文字にうろこ(三角形の山)が無く、縦と横の線が均一にデザインされているのが特徴です。
線の太さが均一なので、遠くから見ても見やすく「視認性が高い」書体です。
強調したい見出しや、遠くから見ても目立たせる必要がある屋外の看板や大判のポスターなどに向いています。

一方で、線の太さが一定で特徴のないゴシック体は明朝体にくらべると可読性が低く、長い文章には向いていません。
そのため、新聞や書籍などの印刷物の本文には主に明朝体が用いられることが多いです。

パソコンやスマホなどのディスプレイでの使用に関しては解像度の問題から細い線がある明朝体ではつぶれてしまって小さい文字だと読みづらくなります。
そのため、ディスプレイでは線の太さが一定のゴシック体が長い文章にも使用されることが多いです。

●使用される場面

  • 見出し
  • プレゼン資料
  • 看板・ポスター
  • パソコン、スマホなどのディスプレイ など

●ゴシック体が与える印象

線の太さが同じで均一なデザインのゴシック体は主に親近感、男らしさ、安定感、カジュアル、力強いという印象を与えますが、フォントの太さによって見る人に与える印象が変わってきます。
太めのゴシック体は安定感があり、元気や力強さを感じさせますが、逆に細くなると、洗練された印象を与えたり、女性的な印象を与えるようになります。

明朝体とは

うろこ(三角形の山)のある書体のことの全般を総称して「明朝体」と呼び、もっとも基本的な書体のひとつです。

明朝体という名前は日本独自の言い方です。文字通り、明王朝の書体という意味です。
この書体は、中国の宋の時代に原型ができ、明の時代に完成したとされています。
当時の中国では文字は筆で描かれていましたが、文字を彫刻するため筆文字をもう少し簡素にした文字が必要になりました。
そこで作られたのが明朝体です。

●明朝体の特徴

縦線に比べ、横線が細くうろこ(三角形の山)がついているフォントです。
はねや払い、縦横の線に強弱があり、ゴシック体と比べると文字に動きがあるのが特徴です。

「視認性が高い」ゴシック体に対して「可読性」が高いのが明朝体の特徴です。
可読性が高い書体のため、新聞、書籍、教科書といった印刷物の本文書体に使用されることが多いです。

一方で、パソコンやスマホなどのディスプレイ上では画面の解像度の関係で、
線の細い部分やセリフの部分がきれいに表示されないことがあり、明朝体が使用されることは少ないのが現状です。
しかし、高精細なディスプレイでは、紙の書籍と同じようにゴシック体よりも明朝体の方が読みやすくなるようです。

明朝体は小さくした時にゴシック体より可読性が維持されるという特徴もあります。

●使用される場面

  • 見出し
  • 新聞
  • 書籍
  • 教科書
  • 文字数が多い文 など

●明朝体が与える印象

繊細さや優雅な印象を与える明朝体は、和や伝統、高級といったイメージを読む人に与えます。
細めの明朝体は繊細で上品なイメージがあり女性的な印象を与え、逆に太いフォントであれば大人や固い印象を与えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
「ゴシック体」や「明朝体」以外にも「筆記体」「手書き書体」などさまざまなフォントがあり
フォントの世界は知れば知るほど奥が深いことが分かります。

冒頭でも書いたように、同じデザインでもフォントを変えるだけで、見る人に与える印象はがらりと変わります。
フォント選びを間違えると、人に間違った印象を与えたり、読みづらいデザインになってしまいます。
見る人読む人にとって適切に情報を伝えるためにもフォントの特徴や使い所を知ることが大切です。

投稿者

久保田

企画開発部 西日本デザインチーム

久保田

走るデザイナー。
趣味はマラソン、トレイルランニング。

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