デザイナーの長田です。
本日は、「TREND Ai」第3 回目のコラム(後編)を発信していきます。
楽しんでご覧いただければ幸いです!
「TREND Ai」とは、世の中に溢れるアイデアを楽しみながら学んで体験する、TOGUのマーケティングトレンド調査のことです。本コラムではトレンド・アイメンバーが調査した様々なトレンド情報を発信します!
大阪市住之江区の北加賀屋にある廃工場をリノベーションした複合施設「SMASELL Sustainable Commune - スマセルサス テナブルコミューン」。今年の8 月にオープンしたばかりのコチラの施設では、サステナブルな要素を含む「ファッション・イ ンテリア・コスメ・フード・アート・音楽」などの様々なカテゴリーが集結しており、楽しみながら気軽にサステナブルを体 感することができます。
Vol.3 の前編では、そんなサステナビリティを追求するSMASELL Sustainable Commune の背景と商品のラインナップにつ いてご紹介しました。そして、後編となる今回はSMASELL Sustainable CommuneのSDGs を体感できる場としての「仕組み・ 空間づくり」とアートの町「北加賀屋」についてご紹介していきます!
目次
- 「SMASELL Sustainable Commune」の仕組みと空間づくり
- アートの町「北加賀屋」
- 他メンバーのコメント
- 再生プロジェクトの比較
- さいごに
「SMASELL Sustainable Commune」の仕組みと空間づくり
前編で取り上げた「SDGs に対する生活者の意識と行動」では、日本人生活者のSDGs への認知度約9割に対して、SDGs を意識して生活している人は約4 割と、日本人生活者のSDGs への関心が未だに少ないことが挙げられました。更に、SDGs をよく理解・意識している10代も「エコ疲れ」していることが発覚し、SDGs がまだまだ「日常化」していない現状が見えてき ました。そんなSDGs の達成、そして持続可能な社会の「日常化」を目指して、SMASELL Sustainable Commune は「無理 なく楽しみながらSDGs を体感できる場」を提供するために様々な仕組みや空間づくりに取り組んでいます。 さっそく、SMASELL Sustainable Commune の「仕組み・空間づくり」についてご紹介していきます。
【仕組み】
・サステナビリティの視える化
商品がどんなサステナビリティを含んでいるのかを一目で判断できるように、サステナビリティが「区分化」と「シンボル化」されていました。また、そのシンボルマークを商品の説明欄などに表示することで、サステナビリティの判別がスムーズにできる仕組みになっていました。
・絵本とおもちゃの物々交換スペース
最低1 点~最大10 点まで不要な絵本やおもちゃを持参すると、他の絵本やおもちゃと交換して持ち帰ることができるスペースが設けられていました。
・購入からつながる支援
商品を購入するごとにNGO団体(森林保全団体・戦地の難民支援・地震の被災地等)に寄付されるようになっており、来客者のショッピングという行為が社会活動に繋がる仕組みになっていました。具体的には、商品購入後にレジで木製のコインを 貰うことが出来、支援したいNGO 団体の寄付ボックスにコインを投函するという手順になります。この手順を行うことで、 来客者は直接的に社会貢献を体感することができます。
【空間】
構内に入ってすぐの場所には、廃車になったロンドンバスをリノベーションした「SMASELL CAFE」があり、そこでは動物性素材(乳製品や卵)不使用のパンやドーナツ、マフィンなどの焼き菓子や、アウトドアウェアを製造・販売するパタゴニアが手がけるオーガニックフード製造販売の「PATAGONIA PROVISIONS(パタゴニア プロビジョンズ)」、「日本サステイナ ブル・レストラン協会」国内第一号店である「BOTTEGA BLU.(ボッテガブルー)」が展開されていました。 また、買い物カゴや商品展示台など構内の様々な物が工場で使われていたであろう用品を活用されているようでした。
アートの町「北加賀屋」
持続可能な社会をつくるために尽力するとても素敵なSMASELL Sustainable Commune でしたが、そんなSMASELL Sustainable Commune がある土地にも、ぜひ着目していただきたいと思います。 SMASELL Sustainable Commune がある北加賀屋は、かつて造船業で栄えた町でした。しかし、昨今では工場の移転など により空き地・空き家問題が深刻化しました。そこで、地元企業が名村造船所・大阪工場跡地を中心に、工場跡や空き家を活用し、「芸術や文化が集結する町」として再生を目指す取り組みをはじめました。現在では、約50の創造活動を行うスペースがあり、 約150名のアーティストやクリエイターが北加賀屋を拠点に活動を初め、注目を集めています。 また、アーティストやクリエイター達が町そのものをキャンバスに作品を手がけており、北加賀屋を歩いているだけで様々な アート作品に出会うことが出来ました。
他メンバーのコメント
再生プロジェクトの比較
蛇足になりますが、関西のトレンド・アイコラムではVol.1 でも再生プロジェクトに関する施設をご紹介しており、今回の SMASELL Sustainable Commune と北加賀屋を含めて、3 つの再生プロジェクトを調査してきました。Vol.1 のKITO FOREST MARKET SHIMOICHI は「地産地消・地域活性」を目的とした再生プロジェクトなのに対して、今回のSMASELL Sustainable Commune は「既存のもので楽しむ」というサステナビリティを目的としていました。また、北加賀屋の再生プ ロジェクトは「空き地・空き家問題の解消」を目的としていました。同じ「再生プロジェクト」というテーマであっても、様々 な目的や想いがあり、その目的によってリノベーションの仕方やデザインの見せ方などが全く異なってくるということに気づ くことができました!
さいごに
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
今回は、「SMASELL Sustainable Commune - スマセルサステナブルコミューン」の仕組み・空間づくりと、アートの町「北加賀屋」についてご紹介させていただきました! 楽しみながらSDGs を体感できるSMASELL Sustainable Commune と町全体でアートを楽しめる北加賀屋、みなさんも是 非訪れてみてください! それでは、来月のトレンド・アイコラムもお楽しみに!