2025.10.15販促・マーケティング
【新人デザイナー】店頭リサーチについて
西日本デザインチームの長田です。本日は店頭リサーチについて発信していこうと思います!気楽にご覧いただければ幸いです。
私がまだ東具の内定者だった時の話です。「入社するまでに何をしておけばいいですか」というもう誰がしたのかも覚えていない質問に対して、「学生のうちはいっぱい遊んでおけばいいよ」だったり「入ってからでも大丈夫」といった答えの中で一つ「店頭の什器を観察すること」という具体的な返答がありました。そのアドバイスをもとに、当時の私は什器を意識して買い物をするようになったのですが、困ったことにどこをどんなふうに何を観察したらいいのか分かりませんでした。
そんな経緯から、店頭リサーチについての記事を書こうかなと思い至りました!
目次
- 形状
- 素材
- デザイン
- 売り場とツール
店頭リサーチをする際に、私が主に意識しているポイントは下記4つになります。
1.形状
カウンター什器一つとっても、色んな形状があります。前垂れの有無、滑り台の有無、フロントの訴求面を大きくとっているもの、ポップアップの位置、商品を陳列する部分がステージになっているもの、テスター周辺が目立つ形状のものなど。よく見かける形状なのか、商品の特徴を表現した形状なのか、形状だけでも色々な情報が読み取れます。
例えば、最近のコスメ什器は韓国什器の影響や定番棚での目立ちを優先して、フロントの訴求面を大きくとってテスターを目立たせたり天面に埋め込む形状を採用している気がします。本来はバックボードでの訴求が重要ですが、バックボードを使ってもらえなかったり、影で見えなくなる状況を考慮しています。
この形状はどこを目立たせたいのか、何を意図しているのかなどを意識して観察します!
2.素材
什器にはいろいろな素材が使用されています。一般的なのは安価な紙の什器です。部分的にPETや蒸着紙(金銀・ホログラムなどの特殊な紙)を使用して目立たせているものもあります。高級感を演出したい商品の場合はアクリル什器を使っていたりします。
また、紙でも表面加工によってマットなものツヤのあるものなど色々あります。こういった素材の違いも観察ポイントです。
PETや蒸着紙をどんな風に活用しているのか、高価格商品と低価格商品の什器素材の違い、市場別(コスメ市場・スキンケア市場・家電市場など)での違いなどを意識しながら観察します。
3.デザイン
デザイナーの私にとって、ここは外せないポイントです。
まずは全体的に見た時のデザインの印象や一番最初に目に入ってきた目立つ部分などを観察します。なぜシンプルな印象なのか、ガーリーな印象なのかなど、その印象を作り上げている要素はどこなのかなどを意識します。目立つ部分に関しても同様に、なぜ目立つと感じたのか(単純にサイズが大きい、他の要素の主張が弱いから目立つ、色による効果など)を意識します。そこから、こういう印象を作りたい時はこのあしらいが効果的、この情報は大体アイコン的に入れられがちなど細かく観察していきます。また、このあしらいはどうやって作ってるのかなど頭の中で方法を想像してみたりします。
4.売り場とツール
販促物は什器だけではなく、色んなツールがあります。スタンドPOPやレールの中に入れる帯POP、香り見本やディバイダー、音声POP、ムービングPOPなどなど…。売り場も定番棚の上段や下段、エンド、特別に設置された場所など色々です。
売り場ごとにどんな販促ツールが設置されているのか、市場別の販促展開の傾向などを意識して観察します。例えば、ドラックストア想定で考えた時に、シャンプー&トリートメントの売り場には定番の販促ツールが豊富(商品の幅が大きくSKUもあるので、ツールを設置するゆとりがある)なのに対して、スキンケアの売り場では目立った販促ツールが設置されにくい(商品が小さくツールを設置するゆとりが少ない)といった感じです。
以上の4つのポイントを意識しながら、店頭リサーチを行っています。
中でも特に意識しているのは「実務への応用」です。ただ、観察して理解できても、いざデザインに落とし込むとなると、思い通りにいかないことも多いんですよね。私はデザイナーの視点で観察しているので、営業や設計の方とは着目点が少し違うと思います。それでも、かつての私のように「店頭リサーチってどうやってやるの?」と感じている方の参考になればうれしいな〜と思っています。