デザイナーの長田です。
「TREND Ai」第7回目のコラム(前編)を発信していきます。
楽しんでご覧いただければ幸いです!
「TREND Ai」とは、世の中に溢れるアイデアを楽しみながら学んで体験する、TOGUのマーケティングトレンド調査のことです。本コラムではトレンド・アイメンバーが調査した様々なトレンド情報を発信します!
市場停滞中でも、人気を高めつづける女性向け文具の魅力を探る
今回、女性向け文具、通称「女子文具」の魅力を探るべく訪れたのはこちら!
『Pinkoi 世界の文具店』
「Pinkoi 世界の文具店」は、台湾発の越境ECサイト「Pinkoi(ピンコイ)」が主催する、世界各国の文房具ブランドを集めたポップアップイベントです。台湾、韓国、香港、日本、イギリスなど複数国の文具ブランドが参加し、ユニークなデザインや限定商品が展示・販売されていました。
『文具女子博』
「文具女子博(ぶんぐじょしはく)」は、日本最大級の文具の祭典です。2017年のスタート以降、全国各地で開催されています。毎年、約100社以上の文具メーカーやショップが集結し、5万点以上の商品が一堂に会する規模を誇ります。これまでに累計来場者数は70万人を超え、国内外の文具ファンから高い注目を集めています。
*文具女子博の調査は後編でご紹介します。
目次
- 文具市場の傾向と「女子文具」
- 東具の女性社員に聞いてみた!「女子文具」の魅力
- 『Pinkoi 世界の文具店』を調査
文具市場の傾向と「女子文具」
2020年以降、日本の文具・事務用品市場は縮小が続いています。部分的には価格の上昇やコロナ規制の緩和で回復の兆しがありますが、デジタル化やペーパーレス化、在宅勤務の普及などで長期的な需要の減少が予想されます。(矢野経済研究所調べ)
一方で女子文具の需要は年々高まっており、「文具女子博」の来場者数は2022年から2024年で ”約38,000人から約52,000人”と大きく増加しています。これは同イベントが規模を拡大し、ファン層を広げ続けている証拠と言えます。
東具の女性社員に聞いてみた!「女子文具」の魅力
女子文具の魅力は「情緒的価値」?
アンケートの結果を一見すると「機能的価値」が重視されているようですが、全体的に意見を見ていくと、実際は「色やカラーバリエーションの豊富さ」「かわいい・おしゃれ」「気分が上がる」といった情緒的価値のほうが、商品を買う決め手になっているということが分かりました。また、文具について熱く語ってくださった方の中には「自身の字に対するコンプレックスの緩和」などが挙げられており、「コンプレックス」から文具にハマることもあるようです。基本的には「女子文具」に対してポジティブな意見が挙げられましたが、「女性向け」を推している製品は苦手という意見もありました。
以下、コメント一部抜粋。(文字数短縮のため、文を省いているものもございます)
これらアンケートから見えてきた「情緒的価値」について「Pinkoi 世界の文具店」「文具女子博」の調査では実際の商品を手に取りながら観察してきました!
『Pinkoi 世界の文具店』を調査
Pinkoiはデコレーションに特化したPETテープやマスキングテープ、シールがメインに販売されていました。世界のデザイナー・クリエイターが手がけた商品がたくさん陳列されており、展示会でアーティストの作品を眺めているような心地で商品を見て回ることができました。他のお客様も同じ気持ちなのか、みなさんサンプルをじっくりと吟味している姿が印象的でした。私自身、自分好みのデザインに出会えるかもしれないというワクワク感が面白かったです。機能性という点では使用シーンが少ないものや、同形状で差がないものが多くありましたが、やはり情緒的価値として「クリエイターのイラストやデザイン」が施されているという点が来場者の心を掴んでいる要因だと思われます。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
後編では、女性向け文具イベント「文具女子博」についてご紹介します。
年々規模を拡大し、ファン層を広げ続けているこのイベント。その人気の秘密をしっかり調査してきました。
それでは、来月のトレンド・アイコラムもお楽しみに!