2024.03.07資材のサステナビリティ
FSC🄬認証の取得と運用
弊社は2022年4月にFSC認証を取得しました。
当初よりFSC🄬認証は紙や印刷物を扱う企業から特に注目されている認証制度でしたが、この数年で、多くのFSC認証入りのパッケージの商品が発売され、弊社が扱う販促物もFSC認証紙を使ったものが増えてきました。
認証マークは「FM(Forest Management)認証」と「CoC(Chain of Custody)認証」の2種類になります。FM認証は木そのものを生産する森林の管理者や自治体が、CoC認証は以降のサプライチェーンが対象です。弊社が扱う販促物業界はCoC認証が対象となります。
今回は、FSC認証取得までの流れと運用を弊社の例を交えながらご紹介できたらと思います。
FSC®認証の取得ステップ
1.認証機関に問い合わせ
認証審査に必要な費用や時間などは事業規模や事業の複雑さ、リスクなどにより変わります。また、事業のどの範囲を認証の対象に含めるかでも変わります。
弊社の場合、インストアプロモーションの企画と実施、印刷物の制作、物流加工、梱包配送までを対象範囲としました。
2.認証機関を決定
認証機関を決めます。FSC Coc認証サービスを提供している認証機関は国内に7社あり、うち3社はFM認証の実績があります。
認証機関から認証取得の条件や手順などの説明を受け、決定した認証機関と契約を結びます。
弊社は認証機関アミタ株式会社と契約を結び依頼しています。
3.認証機関による審査
契約を結んだ認証機関から審査員が派遣され該当する認証規格に合っているかの審査が行われます。
審査では、事務所や工場、倉庫なども訪れます。管理体制や使用伝票の確認や担当者のインタビューもあります。
実際に弊社が審査を受けた際も、事務所の他に販促物の加工場などに審査員の方が来られ各関係部門の部門長などへのインタビューがございました。
4.認証機関による認証判断
審査の結果、FSC規格の要求事項に満たされていると判断されれば認証が発行されます。不備があった場合は、その改善が求められ、改善されなければ認証は発行されません。
5.FSC認証取得
審査に通ると、認証機関により認証書が発行されます。有効期間は5年になり、毎年認証機関による監査があります。
実際の運用
案件確定
弊社の場合、お客様からFSC認証紙での販促物制作の依頼を受け、または営業からご提案させていただき、FSC認証紙の販促什器の製造を行います。FSC認証紙を使った製品にはFSCトレードマークを入れることができます。
デザイン
印刷物にトレードマークを入れる場合、ルールがいくつかあります。ロゴの大きさやラベルタイトル、ラベルの色、マークの周りの余白などに関する決まりがあります。
実際に、認証取得後すぐは、余白が足りなかったり、ラベルロゴとデザインが干渉したりなどあったため、弊社では社内でトレードマークの扱いについてのルールを徹底させています。
認証機関に申請
印刷デザインを認証機関に提出しラベルの使用の許可をもらいます。申請から承認まで約1週間ほどかかることがあります。
余白の幅の不足など規定に足りずに申請が却下される場合があります。その場合は、再度デザインをして申請します。納期までの時間が足らないからと言って承認が下りていない状態で印刷所に回すことはできません。
販促物の制作に関しましては納期にゆとりがない場合が多く、申請が1度で通るように申請前に社内のFSC事務局担当者が入念に確認します。
印刷~加工~出荷まで
トレードマークの入った販促物を作成するには、まず、FSC認証取得済でかつ協定締結をしている印刷会社に認証機関から使用許可を頂いたラベル入りの印刷データを印刷してもらいます。それら印刷物を仕入れて組立て、梱包、店舗や倉庫への出荷を行います。印刷物の組み立てなどの加工を外部委託する場合はその委託先の会社を委託先として認証機関に登録する必要があります。
また、弊社では認証紙の案件に関わるFSC案件と認識し非認証の紙が混入しないようにするために、印刷物の発注書からから指示書や納品書、請求書、仮伝票のすべてに「FSC」と記載して管理を徹底します。パレットもFSC案件は同じパレットに積み、他の案件は混載せずに別パレットに積みます。さらに吊り札をつけて識別を行うようにしています。
品質管理を徹底するため、年1回、登録した外部委託先にはパート含む従業員の教育訓練を行っていただきます。
東具FSC事務局、開発チーム