2021.09.14販促・マーケティング
医薬品、化粧品、求められるデザインの特徴とは。
こんにちは。企画開発部の佐野です。
夏の暑さもどこへやら、少し肌寒い日が続きましたが、皆様体調を崩されていないでしょうか。この夏から秋にかけて少し冷たい風が吹くとき、私の脳内に必ず流れる曲があります。ゆず「いつか」、名曲です。同世代の方、共感していただけると嬉しいです。
さて、全く関係ない話をしましたが、本日は店頭什器における医薬品と化粧品のデザインの違いについて話をしていきます。当社では有り難いことに医薬品、化粧品、どちらの業種に関しても様々なメーカー様と取引をさせていただいております。店頭の展開としては、どちらも販促物を多く制作されている業種だと思いますが、2つの業種においてはデザイン、訴求の見せ方に違いがあると考えています。
医薬品、化粧品、店頭で何を伝えるか。
弊社の打ち合わせで度々登場する2つの言葉。
弊社で打ち合わせやブレストをしていると、「医薬品(ドラッグ)ぽい」とか「化粧品ぽい」といった言葉がメンバーから出てきます。セールスプロモーションの世界に長年在籍していると、2つの違いをデザインのトンマナとして反映できるようになるものの、厳密な言葉の定義をしていないのが正直なところです。医薬品のデザインとは?化粧品のデザインとは?それぞれどういうものなのでしょうか。
店頭で伝えられる情報は限られている。
ドラッグストア、バラエティストア、コンビニ。どの売場を取ってみても、私達が売り場で触れる情報は多彩です。多くの情報の中から瞬間的に消費者の心を捉えるとなれば、難しく、消費者が求めている情報をスピード感を持って伝えることが必要です。
医薬品、化粧品、店頭什器で伝えるべきものの優先順位の違い。
医薬品を購入する際、消費者が求めているのは効能・効果です。喉が痛い、花粉がつらい、皮膚がかゆい、など今まさに抱えている悩みを解決できる商品を探しています。そこで重視されるものは機能性であり、いかにその商品が、抱える症状に効くのかを的確に伝えることが必要です。
一方で化粧品はどうでしょうか。機能性はもちろん重要なのですが、消費者が一番求めるものは、その商品を使うことで、自分がどうなれる、どう変われるのかをイメージすることではないでしょうか。そして、そのどうなれるのか、という部分は必ずしも具体的な表現ではなく、例えば、大人のカッコいい女性になる、とか、キラキラした女子になるとか、抽象的なものであったりもします。
化粧品メーカーの多くは、言葉にできない抽象的な世界観を伝える為に、想定する人物像を、タレントを起用することで伝えています。タレントを起用しない場合でも、デザインのトンマナなどで非常に精度の高いブランディングをされていることがほとんどです。
2つのデザインの特徴は。
機能性で伝える医薬品。
機能性を伝える医薬品のデザインは、必然的に情報量が多くなります。もちろん、訴求を読んでもらうためのインパクト、世界観も重要ですが、多い情報を的確に整理してロジカルに見せていく工夫が必要です。医薬品の広告で世間的には馴染みの薄い成分名が表記されていて、最大量配合、と謳われているのを見たことがあるかもしれません。成分名を表記することで効き目感を訴求する目的があります。
世界観で伝える化粧品。
化粧品は機能性よりも世界観を伝えることが多いです。最終的には機能性もしっかりと伝えたうえで購買に繋げる必要があります。最近の販促什器の主流では什器全体としてはシンプルに世界観が伝わるデザインとして、必要な機能訴求は前帯や、テスター周りで訴求されていることが多いです。
2つのデザインの方向性を見ながら店頭を回るのも楽しい。
今回は医薬品、化粧品のデザインの違いについて書きました。あくまで一般的な考え方で、ブランディングで医薬品を決めるユーザーもいるでしょう。傾向を知ったうえで身近な店頭を見て回ると、新しい気付きがあるかもしれません。