こんにちは。大阪紙器設計の原です。
様々な什器やPOP什器類を、トレンド情報を混ぜながらご紹介させていただく
「販促什器トレンド図鑑」のVol.17です。
文房具業界も前回のコラムを書いた2023年から大きく時間が経過していますので、その間に起きたトピックスも今後は合わせてご紹介いたします。
まず市場規模ですが矢野経済研究所が行った「国内文具・事務用品市場」によると2023年の日本の当該市場は前年度比0.5%減の3,965億円となりました。
2024年も前年度比0.6%減の3,939億と予測しており、厳しい状況が続いているようです。
要因としてはコロナ禍によるオフィス需要の縮小や、企業のDX化によりそれらに関係していた文具類の需要が減ったことが挙げられています。
一方でマイボイスコムが2024年に行った「文房具に関するアンケート調査」では文房具の購入先として51.7%が100円均一ショップ。20%が雑貨店、ホームセンター、スーパー、文房具専門店の回答を得られています。
このことから、文房具業界の市場は縮小傾向にあるものの、販促の主戦場は未だ店頭にある事が分かります。
今回は、各社がしのぎを削る店頭に於いてもしっかりと販促活動を行える什器をご紹介いたします。
文房具向けカウンター什器①
軽量なペン類の陳列を想定した什器です。
ペンを展示する箱を床面から浮かせる事で商品の軽さをアピールしています。また展示スペースが背面と一体化しているため、背面に施されたデザインに商品を溶け込ませて陳列する事が出来ます。
ペン類を陳列する什器は店頭で非常に多く見かけるのですが、よく観察してみると陳列されてるペンは床面に設置している什器が大半であり宙に浮いている物は殆ど見かけません。
什器強度やスペースの確保の問題もあると思われますが、ちょっとした工夫を施す事で他の什器にはない魅力を付与する事が出来ます。
文房具向けカウンター什器②
昨今は様々な文房具の細分化が進んでおり、特定のシーンのみに用いられる文具も店頭でよく見かけます。
こちらはハサミを展示する什器ですが、固い素材を容易に切れる事をビジュアルで分かりやすく伝えています。
文房具に限った話ではありませんが、商品の特徴を文章で説明してもエンドユーザーがそれを読んでくれるかどうかは分かりません。
特にハサミは店頭でテスターを用いる事が出来ない為、使用感も分かりずらいです。
実際の利用シーンを大きく提示する手法は文房具を陳列する什器では非常に効果的です。
文房具向けカウンター什器③
縦長の商品を陳列する什器です。
展示スペースは互いに嚙み合ったような意匠をしており、コミカルな印象とハード感を演出しています。
縦に長い商品は倒れるのを防止する為に展示するスペースを深く設定する必要があります。しかし商品を深く沈めると見えなくなるという問題も発生します。
こちらの什器は展示する箱を透明樹脂にし更に枠状の紙を張り付ける事で、上記の問題を解決すると同時にフレームのようなデザイン性を与えています。
商品に対して説明すべき事があまりない場合は、陳列するスペースにデザイン性を持たせニュアンスを感じさせる什器をお勧めします。
文房具向けカウンター什器④
こちらはファンシーペンの陳列を想定した什器です。
商品の配置は非常に単純ですが、展示スペースを犬小屋にしワンちゃんが顔を出しています。
訴求面を立て看板風にしたりテスター用のスペースをエサ入れにする等、什器を構成するパーツの世界観を統一しています。
什器の主張が強すぎると展示する商品が霞んで見えてしまう懸念もありますが、ファンシー文具のように商品の見た目が顕著な場合、
釣り合いを取る為什器にも相応の装飾が必要です。
最後に
以上、文房具向けカウンター什器をご紹介致しました。
冒頭で国内文具・事務用品市場は不調であるとお伝えしましたが、全ての文具品が不調なわけではありません。
シャープペンシルは芯が自動で出る物や静音機能を搭載した物等が近年発売され好評を得ており、市場規模は拡大傾向にあるようです。
コロナ禍に於いても水性ボールペンとマーキングペンの売り上げが好調だった事は前回のコラムでも述べさせていただきましたが、
「書く」文房具に対しては高い需要があるようです。
当然ながらペン類は機能のみならず書き心地もユーザーにとって重要になります。販促什器は実際にテスターを使用して使い心地を確認できるツールでもありますので、お客様に効果的な購買体験を提供することが出来ます。
弊社の大阪・東京・福岡のショールームには最新の実績物の他、
実際に製作した文房具向けのカウンター什器も多数展示しております。
ご興味のある方は、各拠点の東具営業までお気軽に見学をお申し出ください。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。