2021.10.13社長コラム
提唱すること
株式会社東具 代表取締役社長の清水貴義です。日頃より、東具に関わる皆様方には誠に感謝いたします。新型コロナ感染に関する緊急事態宣言・まん延防止重点措置が全国で解除になり、我慢と対策をしていた人たちは復興にむけて期待とやる気にあふれていることでしょう。同時に、第6波の脅威に対して慎重に考えている人も少なからずいると思いますが、何事に対してもリスクは伴うものという考えは大切だと思います。
さて、日本時間の10月5日に今年のノーベル物理学賞が発表になり、プリンストン大学の上級研究員でアメリカ国籍を取得している真鍋淑郎さん(90歳)が選ばれました。
授賞理由は「地球の気候と地球温暖化の予測に関する物理モデルへの貢献」とのことですが、現代の気候変動を予測する根拠を説いた第一人者として前線を走っていた真鍋淑郎さんご自身は、気候変動というテーマで受賞するとは夢にも思っていなかったらしいです。
世界的に自然災害が相次ぐ中で気候変動問題はいまでは周知の事実ですが、大雨や温暖化が激しくなることについて60年以上も前から研究に研究を重ね、努力の結果が現代に活かされるという功績には尊敬の念を抱きます。今回の受賞に関して研究の内容はもちろんのこと、私はこの問題を世の中に提唱してきたということに感銘を受けました。
この件でメディアに取り上げられている動画がありますが、当時50代の真鍋淑郎さんがカメラに向かって気候変化と温暖化についての研究結果を解説していました。世間が気候変動と温暖化について意識するようになったのは2000年以降という最近だと考えると、いかに早い時期から確信をもって提唱してきたかということになります。「提唱」という言葉に関しては、私は物理学者で天文学者であるガリレオ・ガリレイの地動説が頭に浮かびました。当時は異端者として無期刑のまま生涯を終えることになりましたが、現在では地球は自転しながら太陽の周りを公転しているのは小学生でも知っていること。ガリレオ・ガリレイは当時の天動説が常識という考えを当然として受け入れることなく、自ら観測・研究をして地動説に辿り着きました。興味を持って自ら解明していくという姿勢は、現代の物理や科学の進歩にも通ずるものがあると思います。
日頃、興味のあることや疑問に思うことを放っておくのではなく、探求して持論を唱えるということは自分自身だけではなく、周囲や時代の概念さえも変化させ成長させるもとになるでしょう。このようなことは発明などのような大きなことが取り沙汰されることが多いですが、小さな身近なことにも当てはまると思います。
皆さんの周りにもそのような人はいませんか? 職場の共有スペースを皆が気持ちよく使えるように、研究して率先して片付けたり皆に呼びかけたりしてくれる人。
きれいごとを言っているとか理想を唱えていると心無い人から揶揄されようが、正しいことを怯まずに推進出来る人。私はそのような人を応援したいですし、私自身もそうなりたいと思っています。信念を持った人の提唱を簡単に聞き流すのでなく、しっかりと耳を傾けて考察することで、改善や成長のスピードは格段に上がるのではないでしょうか。そのためにも提唱するということを尊重し、適切な判断が出来るようことが大切だと思います。