2022.04.12社長コラム
2022年値上げの年
株式会社東具 代表取締役社長の清水貴義です。日頃より、東具に関わる皆様方には誠に感謝いたします。今年の桜は盛大に咲き誇って見えるのは私だけでしょうか。コロナ感染に関するまん延防止等重点措置も全国的に解除になり、健全な生活スタイルを取り戻せることを誰もが期待していることでしょう。そのような中で、現代では考えられない事態が起こっています。戦争の先に何があるのか考えさせられます。
今年に入って、世の中において不安な出来事が後を絶ちません。国内では地震にも脅かされる日々を過ごしている方もいます。そして、確実に人々の生活に直結した苦難があらゆるものの値上げです。身近な値上げ商品としては、食パン・小麦粉・麺類・加工肉・すり身製品・しょうゆ・ウイスキーなどの食料品から、トイレットペーパー・家電製品・蛍光灯などの日用品。そして、ガソリン代・電気代・クリーニング代など、日ごとに値上げの展開が繰り広げられるのを目の当たりにします。来年春には東京メトロの運賃も値上げされるようで、まだまだ値上げの気配は留まらない様子です。
私たちの業界でも値上げの気配はしばらく前から感じておりました。樹脂原料・紙・金属・ICチップ等、そして人件費と運送費。時世には逆らえないものですが、その現実を受け止め工夫しながら、業務を潤滑に回すよう努力しております。
過去2年間のコロナ禍による経済活動の停滞で、原材料や製品、サービスの供給が全般的に減少しました。しかし、各国で行動制限が緩和されたことによって需要が一気に増え、供給が追いつかなくなった結果、モノ・サービスの価格が上昇しつつあります。しかし日本企業はこれまで原材料費が上がっても、そのコスト上昇分を価格に転嫁するのが不得意でした。企業努力という美学があったのは素晴らしい事実ですが、グローバルな感覚では今後さすがにもたないでしょう。この状況下において、企業であれ個人であれ立ち向かっていかなければなりません。値上げを受け止めるだけでは自身が困窮し、果ては破綻してしまいます。節約や効率化などの施策を講じることも大切です。そしてこれを機にパフォーマンスを高めていくことや行動を活発化させる必要があると思います。その結果、企業は売上・利益を上げ、個人は給料を上げれば物価が多少上がっても耐えられますし、人々の購買力も上がってモノやサービスも売れ出すという好循環も生まれるでしょう。
政府の政策としては給料を上げることを掲げていますが、これらは政府頼りにするのではなく企業も個人も本気を出して取り組まなければ実現し難い問題です。世間の波に巻き込まれて飲み込まれるのではなく、その波を颯爽と乗りこなせるように一人一人が流れを把握し、出来ることを積極的に実践していくことが乗り越えられるカギになるのではないでしょうか。何もしないのが最大のリスクだと思います。皆が諦めずに明るい未来を築けることを願います。
戦争の先に何があるのか。思うことはたくさんありますが、そのようなことを考えなくてもよい平和な世界であってほしいです。