こんにちは、開発チームの加藤です。
今回よりマーケティング調査についてご紹介します。
第一回は「ユーザーのペルソナ化」です。
■ ペルソナ設定することのメリットとは
マーケティングにおいてのペルソナとは、サービス・商品のユーザー像のことです。ペルソナを設定することで、以下の効果が期待できます。
・ ユーザーの視点をもつことが顧客満足度の向上につながる
ペルソナを設定し、ユーザーの視点から自社のサービス・商品を見ると、作り手からは見えなかったニーズ(要望や必要なこと)が見えてくるかもしれません。
ユーザーのニーズを満たすことで、顧客満足度の向上につながります。
・ 共通のユーザー像を持つことでスムーズな意思決定ができる
関係者で異なるターゲット像のイメージを持ってしまうと、意思決定に時間がかかったり、製品の販売や宣伝などの方向性がブレてしまったり、デメリットが生まれます。
より詳細な共通のユーザー像を持つことで、関係者が同じ方向に向いてスムーズな意思決定ができるようになります。
■ ユーザーのペルソナ設定方法
年齢、性別、家族構成、ライフスタイル、性格や価値観、好きなこと、周りとの関係などを詳細に設定し、ユーザーのペルソナを定義します。
・定量アンケート調査で大まかな設定をする
量的なデータを取るためには既存ユーザーへの定量アンケート調査が役に立ちます。
調査結果を数値化することを目的に実施される調査で、多数の対象者の回答を収集し、量的にどの回答が多いか少ないか、どの程度の割合を占めているかといったことがわかるため、結果を数値で確認することが出来ます。
これらの収集したデータをもとに、まずは大まかなペルソナを設定します。
・インタビューで深掘りし詳細を定義する
大まかなペルソナ設定ができたら、デプスインタビューなどで深掘りし、ペルソナの詳細を定義していきます。
デプスインタビューとは、対象者とインタビュアーが“1対1”でインタビューする調査手法です。1対1でじっくり話を聴き、発言を深堀したり、回答の理由をきいたりすることができます。「対象者の人となりを深く理解したい」、「大勢の他人の前では話し難いことも聴きたい」時などに有効です。実際のユーザーを集めて行うことで、売り手側からでは気づかなかったことを知ることができたり、ユーザーとノンユーザーの両方にインタビューすることでその差異がわかり、より一層ペルソナの深堀ができるかもしれません。
ケースによっては、時間やコストの関係でユーザーにアンケートやインタビューができない場合もあります。その際は、販売スタッフなど直にユーザーと接する人間から意見を聞くことも有効です。
思い込みや先入観で決めてしまうと、実際のユーザーと乖離したペルソナができてしまうので気を付けましょう。また、実際にペルソナを設定した後も、設定の微調整は必要になり、ユーザーに変化があればペルソナ設定の変更も必要になります。
■ ペルソナからニーズを探り戦略を設定する
では、設定されたペルソナの視点からサービスや商品を見てみましょう。
そこからはどのようにサービスや商品が見えるでしょう。どのようなニーズ(求めていること)がそこに潜んでいるしょうか?自社のサービスや商品はそのニーズを満たせているでしょうか?
ユーザーのペルソナ側から見ると、浅いニーズや深いニーズ、多岐多様なニーズが見えてきます。その中からより顧客満足度を満たすことができるニーズをピックアップし満たしていくことが必要です。
例えば…
下記のように、A社B社のユーザーのペルソナをこのように設定した場合、ユーザー側から洗濯洗剤を見たとき、どのような製品を求め、どのようなニーズがそこに生まれてくるでしょうか?また、そのニーズを満たすためにはどのように戦略を立てることができるでしょうか。
例① A社の洗濯洗剤を購入使用している人
30-50歳代の女性、既婚子あり、日中は仕事をしている、子供が部活動をしていて、週末はその練習試合に同行することが多い、家事は嫌いではないが、洗濯物の量が多くて嫌になる、特に子供の部活の服の汚れが取れなくて困っている
【ニーズ】
・洗濯物の量が多い→一度に大量の洗濯をしてもキレイに洗える洗剤が欲しい
・汚れがひどい→もっと洗浄力が強い洗剤が欲しい、もみ洗いなど予洗い不要で汚れが落ちる洗剤が欲しい
・家事と仕事と子育てで忙しい→洗濯は時短でしたい
【戦略設定】
・現状の洗浄力でもニーズが満たされていない部分があるなら、もっと強い洗浄力の洗剤を開発する
・洗剤を測る手間が省ける、洗いやすすぎの時間を短くする
例② B社の洗剤を購入使用している人
20-30歳代の女性、未婚子なし、一人暮らしオフィスで仕事をしている、仕事のある日は、朝も忙しく、帰宅後はまずソファーに座って一旦休憩、疲れたなかで家事をする、休みの日はショッピングに出かけたり、日ごろの疲れを癒すためにエステやマッサージに行ったりする、最近はSNS映えするスポットやお店に行くことも
【ニーズ】
・仕事に着ていく服はオフィスカジュアル、繊細な繊維の生地の服もある、ファンデーションなどがつくことはあるが汚れることはほとんどない→泥汚れなどを落とす洗浄力よりは、繊維を傷めない洗剤が欲しい
・仕事で疲れて帰ってきて洗濯をする→少しでも気分が上がるように、洗濯洗剤はいい香りがして欲しい
【戦略設定】
・洗浄力よりは繊維に優しい成分を使用する
・気分を上げて人を元気にする香りや、癒してリラックスができる香りなど、香りに力をいれる
■ まとめ
このように、ユーザーのペルソナが異なれば求めるニーズや求める製品が異なります。そのため洗浄力を一番に求めている①のA社洗剤ユーザーに、洗浄力より香りややさしさを訴求した②のユーザーが使用するB社洗剤の宣伝をしても効果は薄いでしょう。ユーザーを知り、そのペルソナを設定することで、そのニーズを把握し、何を訴求していくかの方向がつかめます。
製品やサービスによっては、ユーザーのペルソナは1つだけではなく、老若男女様々なペルソナ設定が生じる場合もあります。複数のペルソナ設定が生じると、異なるニーズが出現することがあります。それらニーズ全てを満たしていく必要はありません。今後の市場展開に合わせてより見込みのあるペルソナを絞り、そのニーズに合わせてサービスや商品を展開していくことが必要でしょう。また、思いがけないペルソナができたときは、今までに気づかなかったニーズの掘り起こしにつながり、新製品開発や新市場開拓のチャンスかもしれません。
ペルソナは設定するだけでは何もなりません。ユーザーのニーズを掘り起こす、関係者の共通認識とし販売戦略の方向を定めるなど、ペルソナを使って何をしていくかというのが大切になっていきます。
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