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2023.06.14社長コラム

出来ること、やるべきこと

株式会社東具 代表取締役社長の清水貴義です。
日頃より、東具に関わる皆様方には誠に感謝いたします。

近年の台風や大雨のニュースでは、線状降水帯というワードを目にすることが増えました。最近も、私の出身地でもある愛知県豊橋市が、線状降水帯の発生による大雨で被害に遭ったというニュースがありました。日頃は目立つことのない地域なのですが、このような天災や事件が時々起こり、ニュースで挙げられる地域なのです。
そう考えると、いま現在私の住んでいる大阪は天災被害もそれほど多くなく難を逃れてきたように思うのですが、明日来てもおかしくないと言われている史上最大の南海トラフ地震が発生することを考えると、心構えや備えを疎かには出来ないです。

さて、世の中も3年前の風景に戻ってきた感じはいたしますが、私はマスクが顔パンツ化しており、人前ではマスクを外せない状態のままです。無理して外す必要もないですし、状況を判断しながら過ごしていこうと思います。
そして、最近では行動制限もなくなり、私自身も出張で新幹線に乗る機会が増えてきました。

新幹線に乗るたびに思い出すことがあるのですが、それは我々東具の創業者である久米会長の行動です。
実際に新幹線で一緒に出張に行ったことはないのですが(飛行機はあります)、久米会長は新幹線を降りるときは必ず、座席のリクライニングと窓のブラインドは元の位置に戻すということをしていたようです。理由は、次に乗る人や清掃に入る人のために出来ることをやっておこう、というものです。
その話を聞いた時は当然のマナーだと思ったので、さほど気にならなかったのですが、実際に新幹線の中を見渡すと元の位置に戻している人は決して多くはないようです。このような光景を目の当たりにすると、元に戻すのが正解なのか否かわからなくなりますが、後に使用する人のことを思うと、やはり元に戻した方が良いのではないかと考えます。

話は変わりますが、私はここ1ヶ月で2回落とし物を拾いました。
1回目はブランド物のキーケースです。カギも付いていたので、近くの交番に届けました。
2回目は交通系ICカードです。それは飲食店の入口に落ちていたので、その飲食店に預かってもらいました。
落とした人は困っているでしょうから、私の行動は最善だったと思っていたのですが、同時に「普通は素通りして我関せずで拾って届けたりしないのではないか? そもそも拾って届けてしまうこと自体が迷惑なことではないか?」という思いも湧き上がってきました。
しかし、私にとってこの行動は、出来ることであり、やるべきことをやったと思っております。善意の気持ちもあるのですが、この機会に何か得られるものがあるのではないかという気持ちもあります。(決して見返りや金品を期待しているのではなく、行動一つにおいても新たな知識と経験が得られるのではないか?そのようなことに興味があるのです。)

そして、今回得た知識と経験は、キーケースのケースの件では拾得者の権利について交番の警察官から説明を受けたこと(当然その権利は放棄しました。)、
交通系ICカードのケースの件では店員に「いらっしゃいませ! お一人ですか?」と言われ、事情を説明し預かってもらって帰ろうとしたときに「ありがとうございました!」と客ではないのに言われたことです。飲食店を利用した客ではないのでお礼を言われたことに違和感を覚えましたが、正直少々面白かったです。

ほんとにちょっとしたことですが、私の人生の糧になりました。

情けは人の為ならず、善行は巡り巡って自分のもとに戻ってくる。一人一人が面倒くさがらずに、良いと思うことを積極的に行動にうつすことで他人も自分も気分が良くなる世界が理想です。

私も新幹線を降りる時は、必ず座席やブラインドは元に戻すようにしています。

知らない誰かのことを思い行動することで、知らない誰かが幸せな気持ちになれる。
「出来ること」とはつまり「やるべきこと」なのかもしれません。

投稿者

清水 貴義

代表取締役社長

清水 貴義

東京支店長、専務取締役を経て平成22年3月に代表取締役社長に就任。

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