2024.02.14仕事・スキル
デバンニングについて
こんにちは、生産管理部の渡邊です。
皆さんは「デバンニング」という言葉をご存じでしょうか。
日常生活においてあまり聞きなれない言葉だと思いますが、主に物流業界でコンテナから荷物を取り出す作業のことをデバンニングと言います。
今回はデバンニングの手順や注意点、必要な道具などについてお伝えしたいと思います。
デバンニングの手順
1. コンテナの封印を切断
輸送中に積荷の盗難被害を防ぐため、輸出側でバンニング(コンテナに荷物を積む作業)が終わってからコンテナの扉を封印します。
金属の棒や金属製のワイヤー状のものが使用されますが、これらを「シール」と言います。輸出側でシールをして輸入側でそのシールを切断することで、輸送中に扉が開いていないことを確認できるようになります。
万が一のことを考えてシールの番号とコンテナ番号の照合も忘れずに行いましょう。
2. コンテナを開けて積荷の状態を確認
次にコンテナを開ける作業になりますが、勢いよく扉を開けるのは絶対にやめましょう。船上やトラックでの移動時に積荷が扉側に傾いている場合があり、油断していると荷物が崩れてくる可能性があるため非常に危険です。
コンテナの扉を開ける際は片側を少しだけ開けて、中の荷物がどうなっているかを確認しながら少しずつ開けるようにしましょう。
商品名や内容が入荷予定のものと一致しているかも荷降ろし前に確認しておくと安心です。
3. 荷降ろし
積荷の無事を確認し、いよいよ荷降ろしの作業をしていきます。
まずは実際に荷降ろしを実行する前にケースサイズや重量を確認しておき、積み付け方法(パレタイズ)を決めておくことが大事です。荷降ろし時にスムーズに作業が出来るようになることと、パレットの必要枚数も把握でき、事前に準備しておけるので途中でパレットが不足するなどの時間ロスを防げます。
荷物の内容が1種類だけであれば問題ないですが、複数種類になる場合は混在しないように注意することも必要になります。
またケースの積載超過による潰れや破損がないかも荷降ろし中に確認します。荷物を降ろし終わってから再度確認し直さなくて済むように、降ろしながら確認できるようにしていきます。
荷降ろしが終わったら納品書や伝票などに記載されている商品名や数量と、実際に荷降ろしした内容が一致していることを確認し問題なければ作業完了です。
4. コンテナ内の清掃
コンテナは輸送会社に返却され、次の場所でコンテナに再び荷物を積み込めるようにする為、最後は綺麗な状態にしておく必要があります。
基本的にはほうきとちりとりで奥から掃いていきますが、コンテナの中は荷物が空になると思っている以上に広いので、モップなどがあると便利です。
デバンニング作業で使う道具など
ここからはデバンニングの作業をする際に必要、もしくはあると便利な道具などをご紹介したいと思います。
シールカッター
金属の棒などをバツンと切断できるような巨大はさみです。
重さもあり切断する際もかなりの力を必要とするので取り扱いには十分に注意する必要があります。
ハンドリフト
海上輸送で使用されるコンテナは主に20フィートと40フィートの2種類があり、40フィートだとその長さは約12mあります。
荷下ろしの後半になるにつれ奥から荷物を取り出してこないといけないので、パレットに積んだ荷物をハンドリフトでコンテナの入口まで移動させます。パレットローラーがあるとハンドリフトや移動させる手間がなくなるのでさらに便利です。
高床式倉庫の場合は、倉庫の床面とトラックの荷台の高さが合っていればハンドリフトやフォークリフトでそのまま荷物を倉庫に搬入することもできます。
ランタン(ヘッドライト)
コンテナ内には電灯などの明かりが一切ないので昼間であっても奥に行くにつれて暗くなり商品や足元が見えにくくなります。ランタンなど何かしら周囲を照らしてくれるものがあれば便利です。
ちなみに私は釣りが趣味なので夜釣りで使用するヘッドライトを装着して作業をしたりします。両手も使えて自分が見ている方向を照らしてくれるのでとても便利です。皆さんも機会があれば使ってみてください。
暗い中での作業は怪我などの危険が伴いますので、安全面に配慮して作業を行いましょう。
扇風機(業務用)
特に真夏のデバンニングではぜひ置いてほしいと思っています。
コンテナなので当然ながらエアコンや窓などなく熱がこもります(タイプによっては冷蔵や冷凍など温度設定が可能なコンテナもあります)。
夏場ではコンテナの中で数分作業しただけで汗だくになりますので、せめて作業中に空気を循環できるよう扇風機などがあると気持ちが楽になります。
荷物の内容や作業人数によっては作業時間が1時間を超えることもよくありますので、水分補給も必須です。
いかがでしたでしょうか。デバンニングは作業環境が過酷だったり、事故や怪我のリスクがあったり、荷物の破損の可能性があったりと大変な作業です。
予め情報を共有し事前に出来る限りの準備をしておくことで大変な作業が少しでも楽になるように、安全に荷物を降ろすことができるように考えて行動していきたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。