2024.02.14社長コラム
思いやりの心
株式会社東具 代表取締役社長の清水貴義です。
日頃より、東具に関わる皆様方には誠に感謝いたします。
年明けから襲い掛かってきた能登半島地震から1カ月が経ちました。
非常災害対策本部によると2月5日の時点で、お亡くなりになられた方が240人、負傷者が1,531人、住家全壊が3,125棟、半壊を含む浸水などの住家被害が29,007棟、断水未解消が約38,800戸、そしていまだ避難所での生活を余儀なくされている人が13,962人になります。
また、道路が通行止めにより物流が滞っている状態でもあり、原子力施設も停止中の所も多くあるなど、まだまだ通常の生活に戻るまでに時間がかかりそうです。
我々、直接被害に遭わなかった者からすると、どうしても記憶から遠ざかって行きがちですが、同じ日本に居住する者として、同じ人類として被害に遭われた方々の気持ちには寄り添っていきたいと思います。
そんななか、能登半島地震の被災地で1月中に確認された空き巣被害など災害に便乗した犯罪は、35件にのぼることが石川県警察本部のまとめでわかりました。なかでも「窃盗」が30件と最も多かったようですが、俗にいう火事場泥棒なのでしょう。昔の時代であれば歴史上の一面としてとらえていましたが、この令和の時代でも、このようなことが起こることに困惑します。今の時代は昔と違って「もの」も豊富ありますし、助け合いや思いやりの心も育まれてきているはずです。今回、どのような人が犯行をしたのかは知りませんが、人に迷惑を掛けるようなことまでして、自分の利益を得るということが事実として行われているのです。自分が辛い思いをしているから、他人のことはどうでもいいと思っているのでしょうか。
この発想は、通常の生活の中でも起こっていることで、「いじめ」や「ハラスメント」でも見受けられます。
「自分が受けた仕打ちに比べれば、あなたのこのぐらいのことは、たいしたことではない。」
と、自分がいちばん辛いというアピールをして、結果的に他人を攻撃するような発言をするような事態になることもあります。人それぞれ抱えている問題や生活スタイルも違うので、自分だけが不幸だと安易に思ってはならないと思いますし、ましてや他人にまで不幸を押し付けるなんてもってのほかです。
価値観の違いや多様化が尊重される今の時代において、自分の考えが正しいと思い込んで一方的に他人の気持ちを押しつぶしてしまうことがないように、皆が思いやりの心をもって平和な生活が送られるようにしていきたいです。
寒い日がまだ続きますが。被災されている方々が一日でも早く不安から解放されるよう切に願います。