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2024.05.09販促・マーケティング

販促什器トレンド図鑑 Vol.11【食品向け什器~棚置き・床置き什器~】

こんにちは。大阪紙器設計の原です。

様々な什器やPOP什器類を、トレンド情報を混ぜながらご紹介させていただく
「販促什器トレンド図鑑」のVol.11です。

第11回は【食品向け什器】について説明いたします。

食品向け什器について

これまで化粧品・文房具・家電と3つのカテゴリーの什器をご紹介してきましたが、食品向けの什器はそれらのカテゴリーと比べるとやや求められる什器類が異なります。
上記の3つのカテゴリーは商品を整然と展示する為の入れ物である事が多いのですが、

食品向けの小売店は売り場棚に食品類を隙間なくぎっしりと陳列する為大きなカウンター什器等を置くスペースが限られます。
また品出し作業に掛かる時間も多いため、組み立て工程が多い什器は敬遠されてしまいます。

フロア什器に関しても、化粧品向けフロアのように装飾が華やかな物よりは沢山の商品を陳列できる物の方が好まれやすいです。
今回はそれらの要望を満たした※棚置き・床置き什器を紹介いたします。

※これまでのカテゴリーではカウンター什器・フロア什器と呼称していましたが、今回ご紹介する什器類は区分が曖昧な為、棚置き・床置き什器と呼称させて頂きます

棚置き什器①

定番の棚に置いて使用する什器です。(定番という言葉の説明についてはこちらをご覧ください)
対象の商品を上部の看板部分と前垂れそして左右のディバイダーで囲む事で、ただ陳列されているだけの商品よりも多くお客様の目を引く事が出来ます。

上述したように、スーパーの定番棚は所狭しと商品が並べられており棚と棚の間の高さも限られている為、所謂カウンター什器と呼ばれる物は殆ど見かけません。
また、「商品を片付けて什器を置くスペースを確保する→カウンター什器を設置する→什器に商品を改めて陳列する」
という一連の作業は品出しを行う店頭スタッフの負担に繋がり什器設置率の減少要因となります。

こちらの什器は、設置面積が限られた定番棚に置けるだけでなく側面部分にマグネホルダーと呼ばれる弊社オリジナルの磁石パーツを用いる事で、商品を片付ける作業を行うことなく直ぐに設置を行う事が出来ます。その為店頭スタッフの負担削減や設置率上昇の効果を得られます。

棚置き什器②

お店に届いた状態

開封した状態

エンドの棚に置いて使用する什器類です。店頭販促業界ではエンド什器と呼ばれる事が多いです。
(エンドという言葉の説明についてはこちらをご覧ください)
バックボード・ディバイダー・敷紙・レールPOP等様々なツールでエンド全体を装飾し優れたアイキャッチ効果をもたらす事が出来ます。

エンド什器は食品のみならず様々なカテゴリーの商品類でも展開されているのですが、スーパー等の小売店は棚に什器を設置できるスペースが少ない為、エンド棚を利用した販促がよく行われます。
中の通路へお客様を誘導させる役割もある為、お店全体の活性化にも一役買う事が出来ます。

写真の例は水産加工食品やお魚のスナック菓子、お醤油等の陳列を想定した什器類です。バックボードには半立体のお魚を配置しパッと見たときに商品の特長を分かりやすく伝える事が出来ます。
これらの装飾ツールは外装箱で梱包されて店頭に配送されるのですが、写真の例は外装箱をひっくり返して折り込む事でボードとして再利用する事が出来る仕様になっています。
外装箱に掛ける金額を削減でき、店頭でのゴミを減らす事が出来る為環境にも優しい仕様です。

床置き什器①

商品を小売店に輸送する際に用いられる段ボール箱をそのまま陳列箱として使用できる什器です。複数段積んで床に直置きをされたり、エンド棚の下段に置かれることが多いです。主にお菓子や飲料に使用されます。

段ボール箱を什器として再利用出来ますので、棚置き什器②と同じく什器に掛ける金額を削減する事が出来ます。また店頭で組み立てる手間も通常の什器に比べると、不要部分を千切ってバックボードを折り込んで作るだけですので簡単です。このように段ボール箱を什器として再利用できる箱を「シェルフレディパッケージング」と呼びます。

反面、どうしても千切った面が少し汚くなってしまいます。また、輸送用の段ボール箱としての強度を保ちつつ陳列箱として利用するには千切る面の見極めが非常に重要であり、輸送テストを何回か行う必要があります。

床置き什器(フロア什器)②

ペットボトル飲料を模したフロア什器です。什器全体を商品に見立てアイキャッチ効果を得るという手法は、食品向け什器のみならず他のカテゴリーの商品類にもよくあります。
しかしペットボトルのように中身が異なる飲料でもシルエットが似通った商品は更なるメリットを什器に生み出すことが出来ます。

写真の什器はバックボード部分と什器前面を着せ替える事で様々な飲料に対応できるようになっています。什器前面部分は面ファスナー(所謂マジックテープ)で取り付けてますので、簡単に着せ替えが出来ます。異なる飲料毎に什器を組み立てる手間が省ける為、什器コストと人件費の両方の削減を期待できます

最後に

以上、食品向け什器を幾つかご紹介致しました。

食品小売業界に限った話ではありませんが、人手不足の声は食品小売業からも上がっています。
一般社団法人全国スーパーマーケット協会が発表した「2024年版 スーパーマーケット白書」によると、9割以上の店舗が「人手不足によってスーパーマーケットの運営に与える影響がある」と答えています。また物流コストの上昇や運営に必要な設備・資材の高騰も大きな課題です。
昨今珍しくなくなったセルフレジもこれらの課題に呼応して、導入を検討する企業が増えているようです。

今回、ご紹介した什器類にはそれらの課題の一助になります。
棚置き什器①と床置き什器①は設置作業時間の大幅な短縮が行え、床置き什器(フロア什器)②も商品ごとに毎回什器を組み立てる手間が省ける為人手が足りない小売店に向いてます。
棚置き什器②もゴミを減らすという視点は什器設置作業時の負担削減に繋がります。

食品向けの什器類は、対象の商品の訴求をするだけでなく売り場の課題を同時に解決するツール類が求められます。

弊社の大阪・東京・福岡のショールームには最新の実績物の他、
実際に製作した食品向け什器も展示しております。
ご興味のある方は、各拠点の東具営業までお気軽に見学をお申し出ください。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

投稿者

原

企画開発部 西日本設計チーム

西日本設計チーム係長
特技は折り紙。好きな言葉は「枯れた技術の水平思考」

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