2024.09.11社長コラム
1MBの脳メモリー
株式会社東具 代表取締役社長の清水貴義です。
日頃より、東具に関わる皆様方には誠に感謝いたします。
今年はお盆休み辺りから8月下旬にかけて、台風など気象状況に関することで落ち着かない心情だった人も多かったと思います。それにより、実際、行動に制限を余儀なくされた人や予定を変更された人もいたでしょう。
私もそのうちの一人で、8月26日と27日が東京出張でしたが、帰阪日である27日の新幹線の大幅なダイヤの乱れにより危うく当日帰られないところでした。地球の北半球は観測史上、最も暑い夏だったというだけに温暖化による気象異常は大きく生活に影響をもたらせています。
さて、アメリカでは大統領選挙が行われ、日本の政界では総理大臣が辞任を発表し、地方では県知事が辞職要求を申し入れられるなど、世の中が何かと騒々しくなっています。
このような騒動に関して、当事者は非常に重たい責任を背負い、心も身体もボロボロに壊れていき、周囲からもそれを感じ取られるほど波紋を広げてしまうのだと私は思います。
このことについてですが、人はどれだけ優れていても経年による脳の衰えは起こるものではないでしょうか。
しかし、たとえ経年による脳の衰えが起きていたとしても、人生の折り返し地点を過ぎた人が前線で活躍出来るのは、これまでの経験やノウハウをもとに、必要な情報を取捨選択してベストな答えを出しているからこそだと思います。
私自身、数年前まで「記憶力」には自信がありました。
それがこの目まぐるしく変わる時代の中で、古くて使い物にならない情報を脳にストックしておくことにより、新しい情報が入って来られなくなり、あげく時代錯誤な考えになってしまうのではないかと思うようになりました。それと同じタイミングで、どうでもよい様なことはすぐに忘れ思い出せなくなるなど、明らかに脳に変化が出てきました。
私は若干脳の衰えを感じたのも事実ですが、一方で頭の中も心の中もフォーマットされた感じになりスッキリしました。
自分の脳の変化を感じてから私は「自分の脳のメモリーは1MB(メガバイト)」と自覚するようになり、いかに必要な情報を出し入れするかを意識するようになりました。ちなみに1MBのメモリー容量は昔のフロッピーディスク1枚分であり写真1枚分です。(そう考えると少なすぎかも)
となると、仕事をするうえでも生活するうえでも必要になってくるのが外付けのメモリーディスクです。(クラウドも含む)
自分自身は検討することや判断することに脳を使い、記憶に関しては物理的なパソコンやスマホに保存しておくのです。時には、その分野に長けた人に預けるというのも手だと思います。
自分自身の脳に置いておくことで無意味に容量を使わずに、本来自分がするべきことに脳を使うのです。「何かを知っているということよりも、調べる術を知っていることのほうが大切」という考えもあります。そう考えると、やはり私は1MBで充分です。
政治家のお決まりの文句で「記憶にございません」というものがありますが、ある意味本当に記憶がないのではないでしょうか。本人にとってどうでもいいこと(都合の悪いこと)は不必要な情報であり、ごみ箱に放り込んだのかもしれません。
しかし、なんでもかんでもごみ箱に捨ててしまうと信頼も失うので私も気を付けたいと思います。