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2024.10.09社長コラム

根回し

株式会社東具 代表取締役社長の清水貴義です。
日頃より、東具に関わる皆様方には誠に感謝いたします。

昨今の気候変動による異常気象で、各地の豪雨や突風による被害のニュースを耳にする機会が多くなりました。被害に遭われた方、その関係者の方々の心中をお察しいたします。
ここ10年の間でも、このように気温や天気による身近なことでも大きな変化を感じているのは私だけではないと思います。CO2排出による地球温暖化について、災害時の対策について、後回しに出来ない課題だと日々考えさせられます。

このように、地球規模の話になると国連やNPO(非営利組織)・NGO(非政府組織)などの機関が取り組んでいる課題のように思われていますが、企業や個人でもその課題について真剣に考えて取り組んでいるという事実もあります。
「考えてそうで本当に考えている人」、「考えてなさそうで考えている人」、「考えてそうで考えていない人」「考えてなさそうでやはり考えていない人」などいますが、先日行われた日本の2大政党の総裁選・代表選の様子を見た感じでは、総裁・代表候補者から地球規模の話は聞き取れなかったので、「考えている」「考えていない」はわかりませんが、ここでこの人たちが演説するような話ではないのだなと私は感じました。

さて、この選挙ですがいずれも決選投票まで持ち込まれる結果になりました。特に与党の総裁選に関しては2番手の得票者が決選投票で逆転するという、前評判通りの結果になりました。
上位2名以外の票が大きく影響したということです。
この事実は少なからず根回しによるものだと思います。「根回し」について調べてみると、①庭木を移植するとき周囲を掘って一部の根を切っておくこと。②手を回し下準備しておくこと。(※広辞苑から引用)とあります。別の資料では「交渉や会議などで、事をうまく進めるためにあらかじめ必要な準備をしておくこと」「プロジェクトを進める前にあらかじめ上司や取引先といった関係者へ了解を得ること」などがあります。

世間一般では「裏から手を回す」といったイメージにより否定的に捉えられますが、抜け駆けをして合意を取るような行為ではなく、本来の意味では根回しは悪い行為ではないのです。
根回しは主に、提案を通し組織を円滑に動かすための準備として、実に重要なことなのです。私は会社での立場上、根回しをよくされる方です。当然そこには、その人に対しての個人的な贔屓目はありませんので、案件の内容に対しての良し悪しを認識したうえで情報を共有させてもらいます。
さらに、「○○さんに言っておいてください」「△△△しておいてください」などと依頼を受けることになることもあります。

仕事をするにあたって、適任者が的確なことをするのは当然のことですので、少々面倒なことでも仕事ですから受けます。「都合よく利用されているのかしら? 」と思うのではなく根回しをされる方の意思を尊重して、本質に沿っていれば依頼されることは冥利に尽きます。

ですから、私は根回しを推奨しています。私利私欲のためではなく、仕事上の課題解決のため、皆が幸せを感じるための根回しは必要不可欠と言っても過言ではありません。

また、根回しをされないということは信頼もされていないということなのかもしれません。

根回しもコソコソしがちなので誤解を生みやすいですが、私生活においても誰かへのサプライズを共同でするということも根回しがあって成り立ちます。

私なりに思う根回しとは、根回しをする人の強い思いと誠実さ、根回しをされる側の人間性によって成功するどうか大きく変わってくると思います。

「考えてそうで考えていない人」「考えてなさそうでやはり考えていない人」にならないように、根回しをする側・根回しをされる側として人間性を磨いていきたいと思います。

投稿者

清水 貴義

代表取締役社長

清水 貴義

東京支店長、専務取締役を経て平成22年3月に代表取締役社長に就任。

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