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2021.07.13社長コラム

お客様はお客様

株式会社東具 代表取締役社長の清水貴義です。
日頃より、東具に関わる皆様方には誠に感謝いたします。緊急事態宣言の再発令や、まん延防止等重点措置法の延長など世の中の動きは行ったり来たりで、酒類を扱う業種の方々などは先行きが不安でしかたがないでしょう。ワクチンの供給も制限されているなか国の政策や方向性など不透明な状態ですが、私たち個人が出来ることを考えて行動することが求められると思います。

さて、現在各店舗では時短営業や提供制限などが強いられています。これによって店舗側は売上低下や雇用に関することなど抱える内容は死活問題です。経営者および従業員の方などのもどかしさはなかなか尽きないでしょう。また、一般のお客様にあたる方も、いままでのように自由に食事も出来ずお酒も好きなように飲めずフラストレーションが溜まっている人も少なくないと思います。この環境に慣れて生活リズムが健康的になったという人もいますが、食事やお酒で日頃のストレス発散をしていた人にはまだ外食は我慢の日々です。

お客様の心情などもありますが、少し前から「カスタマーハラスメント」という言葉を耳にします。〇〇ハラスメントと様々なハラスメントはありますが、ハラスメントとは「他者に対する発言・行動が本人の意図に関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えること」を指すようです。要するに「嫌がらせ・いじめ」ということです。そしてカスタマーハラスメントとは「消費者・顧客の立場を利用して理不尽な要求や謝罪を強要すること」です。「顧客の立場を利用して・・・」というところに私はいつも妙な嫌悪感を抱きます。そしてそれについて反発をせず受け入れてしまう側すなわち提供者にも違和感があります。「お客様は神様です」というフレーズがありますが、お互いそのように納得しているのでしょうか。そもそもこのフレーズは歌手の三波春夫さんが歌うときに「神前で祈るときのように雑念を払い、まっさらな心にならなければ完璧な芸を披露することはできない」という心構えのようです。それをフレーズだけが独り歩きして「お客様は神様なのだから言うことは絶対」のように使っている人が多いのも事実です。

お客様とは提供者のサービスを理解していただき取り入れていただくことで関係が成り立ちます。そこには法的なものやモラルのようなものが背景にあるわけで、それを犯すようなことがあればハラスメントになりかねません。しかし世間ではお客様の立場というだけで横柄な態度をとったり無理を言ったりするシーンがあります。おそらく「金を払ってやってるのだから」という偏った思いがあるのでしょう。サービスに対する対価を支払うのは当然なのですが、変な思い込みをしてしまうようです。商売において支払いが振込になる場合などは、古い慣習で振り込む側が銀行に支払う振込手数料を振り込まれる側に持たせるということがあります。10,000円の売上に対して、場合によっては440円の振込手数料を差し引かれて実際には9,560円しか入金されないということです。商売をするにあたり契約書等で決めていない場合、民法や商法上では振込手数料は振り込む側の負担となっています。振り込む側は本来10,000円の債務と銀行に支払う振込手数料440円、合わせて10,440円の支出のところを債権者に440円を持たせて10,000円の支出に抑えているのです。

ECサイト等で銀行振り込みが支払いの主流になっている現代において、勝手に振込手数料分を差し引いて支払うものならば商品はいつまでたっても届かないでしょう。債務者が振込手数料を支払いたくないという理由で小切手を発行するという発想がありますが、小切手帳もタダではありません。金額によっては債権者側が領収書に印紙を貼って用意をしなければなりません。何より手間がかかるのと資源の無駄です。更に支払いに行くのではなく集金を依頼するという発想は「お客様はカミサマ」そのもののように思えます。原則として「債務の履行は債権者の現在の営業所」という商法で定められているのですがカミサマには通用しないのでしょうか。私自身も債務者の立場でもありますから反面教師として、やれることからやっていきます。

商売においては、本質であるサービスに目を向けたいところですが、ベースである企業のスタンスも視野にいれておくことも大切なことです。安くても法律違反のところからは買いたくないですし、品質や対応も曖昧なところからも買いにくいものです。同じようにお金の支払いがルーズであったりハラスメントをしたりするようなところには売りたくても売れないものです。

お客様だからという理由で本来必要ではない過剰なサービスを求めたり提供したりすることについては、ひとつひとつ片付けていかなければ古めかしい慣習は排除されません。他の人は皆どうだとか昔からこうだとか言われても、現在の私たちとお客様とのことなのでお互いが納得のいく話し合いをしなければならないでしょう。そのために契約書は双方の損得が発生しないよう不平等にならないものを作成しなくてはなりません。私は商売とはお互いが気分よく関われることが重要だと思います。嘘をついたり足元を見たりするやりとりが、サービスの質を低下させてしまうのではないでしょうか。サービスを提供する側はお客様に対して本質の部分で満足していただけるように努力が必要ですし、お客様は正当に評価しなくてはなりません。お客様はお客様ですから。

不安なことが多い世の中ですが、いま自分たちに出来ることを謙虚な気持ちで取り組むことで平和な気持ちで過ごせるのではないでしょうか。

投稿者

清水 貴義

代表取締役社長

清水 貴義

東京支店長、専務取締役を経て平成22年3月に代表取締役社長に就任。

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