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2023.05.10社会との共存共栄

SDGsで使われるワード_2 「カーボンリサイクル」「フェアトレード」「エシカル消費」

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の頭文字を取った言葉です。
言葉の意味を正しく理解することもSDGsの活動の1つだと考え、よく使われる言葉を少し紹介させていただきます。

第2弾となる今回も、なんとなく意味は分かるが、明確には…といワードを中心に解説していきます。

カーボンリサイクル

CO2(二酸化炭素)を炭素資源と考え、回収したCO2を炭素化合物として再利用することです。空気中に排出されたCO2を回収することで、実質的にCO2を減らす効果が期待されています。

カーボンリサイクルと関係する技術にCCSやCCUS、人工光合成などがあります。

CCS 「Carbon dioxide Capture and Storage」の略で、日本語に訳すると「二酸化炭素回収・貯留」となります。空気中のCO2を回収して地中深くに埋める技術です。
CCUS 「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略で、日本語に訳すると「二酸化炭素回収と利用、貯留」となります。一例として、空気中のCO2を回収して油田に注入することで、残っている原油を押し出し、かつCO2を油田の中に貯留する技術があります。
人口光合成 植物が光合成を行う仕組みのように、太陽エネルギーで水から水素を取り出し、その水素とCO2を使い炭素化合物を製造する技術です。

人工光合成の技術では、次のような炭素化合物をつくることができます。

  • 化学品(オレフィンやポリカーポネート、ウレタンなど)
  • 燃料(バイオ燃料やメタンなど)
  • 鉱物(コンクリートなど)
  • その他(食用タンパク質など)

カーボンリサイクルは技術やコスト面など課題も多いですが、それらをクリアできると、CO2削減以外にも、エネルギー問題や食糧問題の解決にもつながると言われています。

フェアトレード

フェア(fair)=公正なトレード(trade)=取引のことです。

日本では、コーヒーやカカオ、コットン、バナナ、サッカーボールなど多くの食品や日用品が、生産国の発展途上国から輸入されています。またそれらは、国内で驚くほど安く売られています。
日本国内で安く売れる理由は、商品に対する正当な対価を生産者に支払っていなかったり、生産性を上げるために自然環境や働く人に大きな負荷を与えることでコストを低く抑えていたりするからです。
発展途上国の生産者から不当に商品を買いたたくのではなく、商品に対する適正な対価を支払い、フェアなトレードを行うことで、生産者の労働環境や生活水準が維持され、かつ自然環境にも優しい配慮がされ、持続可能な取引ができるという考えです。

また、フェアトレードは「児童労働のない世界をつくる」一歩になります。フェアトレードが行われ、生産者の労働環境や生活水準が上がり、貧困から脱することができます。そうすると、親は子供に労働をさせず学校に通わすことができます。
これは、SDGsの目標「4.質の高い教育をみんなに」につながります。
その他にも、フェアトレードはSDGsの様々な目標と関係してきます。

フェアトレードには基準となる法律がありません。そのため、何を持ってフェアトレードとするか、明確な定義はありません。
今回は、日本で見られるフェアトレード商品の種類を3つご紹介します。

国際フェアトレード認証ラベル (The FAIRTRADE Marks)商品

社会的、環境的、経済的基準について国際フェアトレードラベル機構が定めた基準を満たした製品に付与することができるマークです。世界的にも認知されている倫理的なマークになります。

WFTO系フェアトレード商品

WFTO(World Fair Trade Organization)には事業活動全体がフェアトレード基準を満たしている団体のみが加盟できます。 1つでもフェアトレード基準を満たしていない商品があれば加盟することができません。つまり、WFTO加盟団体の商品=フェアトレード商品となります。

その他のフェアトレード商品

各企業や団体が独自基準を持ち、生産者と直接フェアトレードを行ったり、生産者支援を行ったりしています。認証マークなどがなくても、フェアな取引を行い販売されるフェアトレード商品があります。
日本にも、現地に赴き、直接生産者と対話し、正当な価格で取引を行っている企業が多くあります。

エシカル消費

エシカル(ethical)は英語で「論理的」「道徳的」という意味になります。

エシカル消費とは、人や社会、地域、環境に配慮した消費行動をさします。
エコ消費と異なる点は、環境だけでなく、貧困、児童労働、福祉、食品ロス、生物多様性の損失、地域の課題といった、社会全体に関わる問題を、このエシカルな消費行動によって解決していこうとする点です。

これはSDGsの目標12「つくる責任・つかう責任」に関わります。

一般消費者 ・地域の商品を選ぶ
・フェアトレードの商品を選ぶ
・自然保護などに関する認証がる商品を選ぶ、など
企業 ・非再生資源の使用を減らすなど環境に配慮した製造や販売
・労働者の人権や環境に配慮したサプライチェーンから商品を購入する
・フェアトレードの原材料の活用、など

パリ協定

2015年にパリで開かれた、温室効果ガス削減に関する国際的取り決めを話し合う国連気候変動枠組条約締約国会議(通称COP)で合意され、2016年11月4日に発効した協定です。
京都議定書に代わる、2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組みになります。
パリ協定では、世界共通の長期目標として、次のことを掲げています。

  • 世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする
  • そのため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる

*2011年-2020年の平均気温が、すでに産業革命(1850年-1900年)と比べ1.09度上昇

気温が上昇すると、海面上昇や酸性化、また、干ばつや洪水を引き起こす極端な気象変化の増加、生態系や生物多量性への悪影響、水不足による食糧危機など、様々な弊害が起きます。

日本は世界より速いペースで気温が上昇していて、今後も全国的に平均気温は上昇すると予測されています。平均気温が1度上昇すると猛暑日が1.8倍になり、10年に1度の大雨が10年に1回以上起きると言われています。気温が上昇し続け海面が1m上昇すると東京23区の一部は堤防を高くしなければ度々の浸水など水害の影響を受け、大阪北西部の海岸線は水没するなど、言われています。

これらのリスクを防ぐために、パリ協定では世界の平均気温の上昇を抑えること、気温上昇の原因の一つであるCO2やメタン、フロンなど温室効果ガスの排出削減を目標としてます。

また、日本の温室効果ガスの排出削減目標は、2030年までに2013年比で26%削減となっています。
パリ協定を契機に、国や企業の脱炭素への取り組みがより進んでいます。



開発チーム 加藤

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