こんにちは。東京営業の柴田です。
私たち業界特有の用語の意味について解説する「販促用語集」のVol.10です。
今回は、第10回目ということで、「紙器設計(紙製什器の設計)時に使用する」用語をご説明いたします。
まず、立体的な紙製の什器には「罫線」(けいせん)と呼ばれる折り目をいれる必要があるのですが
この「罫線」にも用途に応じて、さまざまな方式があります。今回は代表的な5種類を解説いたします。
なお、本来の意味合いと異なるケースもあります。ご注意ください。
【切罫(きりけい)】
・半切れ(はんぎれ)・ハーフカットとも呼ばれます。用紙の半分まで切れ目を入れる加工方法
例)・今回の用紙は厚くて折りにくいので切罫で設計します。
→今回の用紙は厚いので、単純に折り目をいれただけではしっかりと折り目の角度を出すことができないので
用紙の半分まで切れ目をいれて設計します。
(解説)
・2mm以上の厚い紙などに折り目を入れる際に使用する加工方法です。綺麗に折ることのできるメリットがあります。一方で、荷重のかかる場合には裂けてしまう場合もありますので、使いどころは設計士の腕の見せどころになります。
【折罫(オリケイ)】
・押罫(おしけい)とも呼ばれます。用紙に折り筋をいれるもっとも基本的な加工になります。
例)・今回、台紙を二つ折りしたいので折罫を入れてください。
→今回、台紙を二つ折りにしたいので、折り筋をいれて設計してください。
(解説)
もっとも代表的な「罫線」になります。紙製の箱や、紙製什器を作成する際の「折り目・折り筋」のことを差します。もちろんPET素材などに折り目を付けるさいにも同様に使用される名称です。
1本の折罫だけでは上手く折れないような場合には、ダブル罫と呼ばれる2本折罫を近接していれることで、折りやすくする方法もあります。
【ミシン罫】
・ミシン目、破線(はせん)とも呼びます。短い線が、ミシンの縫い目のように飛び飛びで連続している罫線です。主に、切り取る目的の罫線になります。
例)・新商品と記載のある分を、一定期間の後にお店で切り取ってもらうので、ここをミシン罫にしてください。
→新商品の発売時期から一定期間が過ぎたら、新商品の文字を取り外しできるように、ちぎれるような線を入れてください。
(解説)
POPシートや、カタログBOXのフタの部分など切り取りたい部分に使用する罫線です。
もちろん、ハサミなどで切っていただくことも一つの案ですが、店頭での負担を減らす為に、手でちぎれるよう設計することも多いです。
【リード罫】
・ミシン罫よりも、切れ目の隙間を多くして「ちぎれない」ようにしてある破線です。切罫だとちぎれてしまいそうだけど、折罫よりもしっかり折りたい・・・、そんなケースに使用します。
例)・この段ボールをしっかり折りたいのでリード罫を入れてください。
→この段ボールをしっかり折りたいのですが、折罫だとしっかり折り目がつかないので、破線を入れて折りやすくしてください。
(解説)
段ボールシートなどを90度折りたい場合などに使用する罫線です。
段ボールシートには、構造上切罫を入れるとちぎれてしまいやすいので、こちらを選択するケースが多いです。
最後に
普段何気なく目についている「折り目」にも、種類がありそれぞれ名前がついています。
適切な罫線をいれることができるのが紙器什器のクオリティにつながります。一方で、適切な罫線をいれることができないと、折り目が割れたり裂けたりして見栄えがわるくなってしまいます。
どんな仕上がりにしたいのか、どれくらいの予算なのかをしっかりと共有することで、最終的な仕上がりの善し悪しにつながります。依頼者は、それを伝えること、受け取り手はしっかりとヒアリングすることを心がけていくと、より良い什器制作が出来るようになると考えています。