こんにちは。東京営業の柴田です。
私たち業界特有の用語の意味について解説する「販促用語集」のVol.12です。
今回は、第12回目ということで、様々な「用紙」に関する用語をご説明いたします。
店頭販促物を作成する際には、用途によって様々な厚みや特性をもった「紙」を使用していきます。
なお、本来の意味合いと異なるケースもあります。ご注意ください。
【カード紙】
・表面がコーティングされている光沢のある用紙(塗工紙)です。板紙とも呼ばれます。※紙のサンプル帳には「高級白板紙」と記載されています。
(解説)
販促物を作成する際に、最もよく使うという厚くて丈夫な紙のことです。
よく使う厚み(斤量)は、下記の通りです。
四六版(22.5kg) 260g/㎡ (約0.28mm厚) ハガキサイズぐらいのPOP用
四六版(26.5kg) 310g/㎡ (約0.33mm厚) 少し硬さが欲しい仕切りPOPなど
四六版(36kg) 420g/㎡ (約0.45mm厚) かなりしっかり硬さが感じたいPOP
四六版(40kg) 465g/㎡ (約0.52mm厚) 折り目がないと折れないぐらいしっかりした紙が欲しい場合に。
一般に、26.5kgからは厚紙と言われるジャンルになり、22.5kgまでの薄紙と印刷できる印刷機自体が変わる場合もあります。
【コート紙】
・ポスターや、チラシなどに使用されている表面に光沢のあるつるつるした用紙(上質紙)です。
(解説)
ポスターといえば、コート135kg(あるいは90kg)といった用紙で、おおよそ販促物の作成にはこの2種類ぐらいをよく使用します。スイングPOPなどは、コート135kg+両面PP(表面加工)という仕様がスタンダードです。
【スペシャリティーズ(SPECIALTIES)】
・パール調または、メタリック調特殊紙のブランドネームです。
紙の表面にパール塗工、アルミホイル、アルミ蒸着PET・フォログラムフィルム貼合、アルミ蒸着転写加工を施し、多様なパッケージ、グラフィックデザインに対応できる用紙として様々な用途で使用されています。
https://www.gojo.co.jp/product/specialities)
(五條製紙様HPより:
(解説)
販促物の表面が、金属のようにキラキラしているもの、ホログラム感がある印刷物は、だいたいこの用紙を使用しているのではないか・・・というように、販促物業界だとポピュラーな用紙になります。銀色のスタンダードに黄色を印刷することで綺麗に金色が表現できます。CMYKの印刷の前に白を印刷することで、部分的にキラキラ感を無くす使い方もよく行われます。
【ユポ紙】
・合成紙のことです。紙の弱点とされている、水に弱い(水濡れしてしまう)、破れてしまう、という課題を解決した用紙です。
(解説)
身近なものでいうと、屋外で使用するポスター(雨に濡れても大丈夫な「耐水紙」として)使用されたり飲食店のメニュー表などで使用されます。
販促物でいうと、コンビニや駅などで屋外のフラッグとして使用されている印刷物はこちらの用紙が使われているケースが多いです。最近では、同等のものとして石灰石を原料としたライメックス紙というものも存在します。
【コルトン】
・電飾シートのことです。LEDなどのバックライトで印刷物を照らす際に使用する電飾フィルムを指します。
(
(解説)
最近の販促物でいうと、自動販売機の中や、カラコン用の内照式什器などによく使用されています。
また、屋外用の看板など、内側から光っている看板の印刷物に使用されています。
オフセットで印刷する場合は、光を当てると印刷物の色が薄くなってしまうため、基本的には濃度を保つために両面印刷で対応することが多いです。
一方インクジェット印刷では、片面だけでも濃度を保つことができるので、小ロットの場合はこちらで対応することが多いです。
このように生産数量によって印刷方法を変える必要があります。
最後に
「紙」にも、様々な種類があることをご存じでしたでしょうか?今回は、かなりおおざっぱに解説しました。
カード紙、コート紙にも各々さらに深掘りすることができますし、それぞれの販促物で最適な「用紙」が存在します。また、通常は「白」は印刷せず、紙の地の色が「白」を表現することになります。
店内で使うのか、店外で使うのか、どのぐらいの期間使うのか、耐久性はどの程度必要か・・・など
使用条件がわかると最適な「用紙」を選定すると、コストもお安く仕上げることが可能です。
慣れてくると、チラシやカタログを触ったときに、このぐらいの厚みの紙を使っているのか・・・、良い紙を使っているな・・・など、思ってしまうこともあるかもしれません。
日常的な、身の回りの「紙」に興味をもって触ってみるのも面白いと思います。