2022.01.13情報
物流センターの企業防災設備について
こんにちは、生産管理部の渡邊です。
日本は地震大国と言われているように、地震の発生回数の割合が全世界の18.5%を占めるなどとても高いものとなっています。例えば2021年12月に発生した震度3以上の地震だけでも38回発生しており、皆様が日常の中で揺れを感じることもあるかと思います。また南海トラフ巨大地震や首都直下地震など巨大地震が発生する可能性が高いと様々なメディアで目にします。皆様の普段からの備えは万全でしょうか?今回は弊社物流センターの防災設備に関するお話をさせていただきたいと思います。
はじめに
企業防災には個人での災害対策とは異なり「防災」と「事業継続」の2つの観点があります。
防災としては、安全確保や物的被害の軽減、被災者の救助・支援などがあります。事業継続としては安全確保に加え、従業員の安否確認や重要業務の継続・復旧などがあります。平常時からリスクを想定して備えておくことが重要になります。ここからは弊社物流センターにおいての防災や事業継続のための設備や備えをいくつかご紹介させていただきます。
雨水利用(ろ過装置と貯水タンク)
災害時に雨水を貯めているタンクの水をトイレなどに使用できるようにしています。
タンクには1640ℓの雨水を貯水出来るようになっています。災害時のトイレの水の流し方としては、貯めていた雨水を利用して、バケツを使って直接トイレに流しこむ形になります。トイレのタンクへ直接水を入れてしまうと、洗浄不良や詰まりの原因になったり、電気部品が破水し故障の原因となったりすることがあるので避けたほうがいいそうです。一回の使用量は約8~10ℓとされているので単純計算で160~200回程度使用できることになります。トイレの回数としては、大人で一日平均5回程度と言われているので、3日間避難生活を送ると考えるとおおよそ13人分という計算になり、従業員が全員避難してきた場合にはとても足りません。その為、実際の運用ではインスタントトイレと並行して使用する形になるかと思います。ちなみに雨水タンクの水は普段は植物の散水に利用されていますので、雨水が溜まりっぱなしで汚くなるということはありません。
ソーラーパネル(太陽光発電)
緊急時は4階にある分電盤からコンセントを利用して電気を使用できます。
元々設置した経緯としては環境対策への取組として導入したものなので、災害などが発生した場合の非常時のみ使用できるようになっています。電気がなければ災害時に事業を継続していくことがとても難しくなりますので、パソコンや電話機、FAX機等の通信機器としての電源確保は特に重要になります。
備蓄品
非常食や水、生活用品などがあります。
保存水やアルファ化米、乾パンなど、50人が3日間生活することができる量を備蓄しています。なぜ3日間なのかというと、人命救助のリミットが3日間(72時間)と言われており、大災害が発生してしまった場合、当然ながら1人でも多くの人を救うことが最優先事項となるので、救助活動も人命を救うための動きになります。その間に活動の妨げにならないようにするため、会社で安全が確保されている人には会社で待機しておいてもらえるように、最低でも3日分の備蓄が必要とされています。また、余震での倒壊や遠距離を徒歩で帰宅する際の負傷などのリスクを回避するといった、二次災害を避けるためという目的もあります。
生活用品については、毛布や歯ブラシ、ガスコンロやボンベ、使い捨てカイロ、インスタントトイレなどの生活用品を上記と同じく50人が3日間過ごせるための備蓄をしています。
スローダン125(緩降機)
火災などの災害が発生し、階段やエレベーターを使用して階下に降りられなくなった場合に、外壁から降りられるようにする為の設備です。使用者の自重で自動的に降下できる機構を持つため、使用者の体重に応じた等速度でつるべ式に安全に避難できるようになっています。弊社では4階に設置しており、幸いなことに物流センターを設立してから今日まで使用しないといけない状況になったことはありませんが、出来ればこれからも使用せずに済むことを心から願っています。
いかがでしたでしょうか。
防災において万全という状態を作り出すことはとても難しいと思います。なぜなら資源は有限であるということと、未来のことは誰にも分からないからです。それでもいつかやってくるかもしれない、いざという時に備えるため、従業員の安全と事業の継続を踏まえて、自分たちででき得る最善を目指してこれからも努力してまいりたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。