2022.09.12情報
販促製品に関わる環境認証制度あれこれ
こんにちは。開発部の山本です。
各業界で「SDGs」の動きが活発になっている中、メーカー各社はサステナビリティ戦略を立てていく上で本格的にサプライチェーンマネジメント(SCM)への取り組みを始めています。
これまでにも、顧客から安全データシート(SDS)やRoHS指令・REACH規制などの書類提出を求められる事があったかと思いますが、今後さらに環境改善への取り組みを「証明」する事を求められる機会が増えてくるかもしれません。
そこで、今回は販促製品に関わりのある認証制度をご紹介したいと思います。
製品や企業の信頼性を確保するためにも重要な項目になってくるかもしれませんので、是非チェックしてみてください。
■バイオマスマーク認定(バイオマスマーク)
コンビニやスーパーの袋で見かけるこのマーク、販促業界では特にプラスチック製品を製造している企業が注目している認証制度です。
生物由来の資源(バイオマス)を活用し、品質及び安全性が関連する法規、基準、規格等に適合している環境商品を認定する制度で、バイオマス含有量が10%以上の製品が認定対象です。
対象製品は、プラスチック以外にも印刷インキ・洗剤・繊維製品・バイオ燃料など多岐に渡ります。
認定されると製品に『バイオマスマーク』をつけることが出来、バイオマス成分の含有率によって10%から5%刻みで数字が表示されます。
同じ製品(原料の構成割合が同じ)であれば、サイズ違いは一度にまとめて申請可能です。
■バイオプラスチック識別表示制度(バイオマスプラマーク)
こちらもコンビニやスーパーの袋でよく見かけるマークです。
この制度はプラスチックに限定されていて、ポジティブリストに掲載のバイオマスプラスチックを使用し、バイオマス成分が25%以上含有している、かつ指定の使用禁止物質を含んでいない製品が認定対象です。
認定された製品に付与されるバイオマスプラマークは、25%・50%・75%・90%の4段階で含有率が表示できます。
■FSC®認証(FM認証, CoC認証)
販促業界の中では、特に紙や印刷物を取り扱う企業から注目される認証制度になり、既に多くの会社が認証取得されています。
FSC®認証は、「FM(Forest Management)認証」と「CoC(Chain of Custody)認証」の2種類の認証があります。FM認証は木そのものを生産する森林の管理者や自治体が、CoC認証は以降のサプライチェーンが対象です。
FSC認証製品が消費者の手に届くまでには、最終製品になるまでの生産、加工、流通に関わるすべての組織がそれぞれの認証を受けなくてはなりません。また、FSC認証の審査・発行は、FSCではなくASI(Assurance Services International)という認証機関に対する第三者認定(監督)を行なう機関の認定を受けた、独立した第三者の認証機関が行ないます。
■環境配慮型インキ 各マーク
印刷用紙だけではなく、印刷に使用するインキにも認証マークがあります。
・NLマーク
全国のインク製造業者による業界団体「印刷インキ工業連合会」独自の自主規制「NL規制」(※RoHS指令に適合)のネガティブリストに含まれる化学物質を使用しないインキに付与されるマークです。
・インキグリーンマーク
NL規制に準拠することを前提とし、印刷インキ中のバイオマス割合を主たる環境配慮した印刷インキに付与できる環境マークです。
このマークは、インキ組成の環境配慮度合いによって3ランクに振り分ける認定基準を設定しています。
ただし、UV硬化型インキは、バイオマス成分を含めることは難しいため、用紙リサイクル性と省エネルギー性を指標されています。
・植物油インキマーク
植物油を含有した印刷インキ中の植物油含有量基準を満たした植物油インキに付与できる環境マークです。
植物油とは、再生産可能な大豆油、亜麻仁油、桐油、ヤシ油、パーム油等植物由来の油、及びそれらを主体とした廃食用油等をリサイクルした再生油が対象です。
また、該当インキで印刷した印刷物にもマークの添付が可能です。
・GPマーク
日本印刷産業連合会が定めた環境自主基準に基づき、事業者(工場等)の環境負荷低減への取組及び環境に配慮した印刷製品を認定する総合認定制度です。
この認定制度は三つの制度から成り立っており、環境配慮された印刷工場を認定する「GP工場認定制度」、印刷工場が使用する資機材を認定する「GP資機材認定制度」、認定工場が製造した印刷製品にGPマーク(環境ラベル)を表示できる「GP製品認定制度」があります。
従来の印刷製品の環境マークが、紙やインキ、または製造工程の一部を対象にしたものに対し、「GPマーク」は資材から工程までの総合的環境配慮マークです。
■エコマーク
日本唯一の第三者認証によるタイプI環境ラベルであるエコマークは2021年7月6日現在73の認定基準(類型)がもうけられており、販促業界では
No.102 印刷インキ
No.106 情報用紙
No.107 印刷用紙
No.106 情報用紙
No.114 紙製の包装用材
No.118 プラスチック製品
No.120 紙製の印刷物
No.121 リターナブル容器・包装資材
No.141 生分解性プラスチック製品
等が主に関連します。
印刷物などの販促POP本体だけでなく、ガムテープやビニール紐、気泡緩衝材などの梱包資材にもエコマーク取得製品がありますので、販促物組立加工業務を行っている企業などは、梱包資材をエコマーク認定商品に切り替える事が今後アピールポイントの一つになってくるかもしれません。
■フェアトレード認証(フェアトレードマーク)
ノベルティ関連商品を扱う企業にとって注目度の高い認証制度です。
開発途上国との公平・公正な取引による、原料から製品になるまでのすべての工程において、国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)が定めた基準を守られている製品に「国際フェアトレード認証ラベル」が付与されます。
主なフェアトレード製品の中では、コットンバッグやタオル、チョコレートやコーヒーなどがノベルティに利用しやすいのではないでしょうか。フェアトレードラベル付きのノベルティは、エシカル思考の消費者にとってわかりやすいアピールポイントになります。
いかがだったでしょうか。
今回ピックアップした認証制度以外にも様々な制度やマークがあります。
SDGsや環境対策への取り組みが活発化する中、認証制度の種類も増えてくる可能性がありますので今後も注目していきたいと思います。