2023.04.12ものづくり
クリーンルームとは?
こんにちは、生産管理部の渡邊です。
皆様はクリーンルームをご存じでしょうか。名前は聞いたことがある方も多いと思いますが、詳しく説明できるという人は少ないかもしれません。
弊社の作業場では、クリーンルームにより近い環境で作業できるように日頃から意識して取り組んでおりますが、今回作業環境を測定していただく機会を作り、協力会社様に測定を依頼させていただきました。
その結果、クラス8相当(100,000相当)ということで数値の書類とともにご報告いただきました。
ただ、私自身クリーンルームについての知識が乏しく、クラスや数値について疑問に思うことがあり、この機会にいろいろと調べてみましたのでご紹介させていただきます。
クリーンルームとは
そもそもクリーンルームとは何なのでしょうか。
クリーンルームの定義として、1994年に制定され、2000年に改訂された JIS Z 8122(コンタミネーションコントロール用語)には下記のように規定されています。
コンタミネーションコントロール(製品への不純物付着・混入がないように管理すること)が行われている限られた空間であって、空気中における浮遊微粒子、浮遊微生物が限定された清浄度レベル以下に管理され、また、その空間に供給される材料、薬品、水などについても要求される清浄度が保持され、必要に応じて温度、湿度、圧力などの環境条件についても管理が行われている空間。
ということです。なんだか難しく感じますが、要約するとすごく綺麗な状態を維持して管理している空間、ということですね。この「すごく綺麗な状態」を清浄度という数値にすることで清浄度ごとにクラス分けがされています。
規格とは
クリーンルームの清浄度クラスを表す際には、クラス1、2,3やクラス100、1,000、10,000などといった複数の呼び方があり、初めて目にする方は混乱してしまうかと思います。実はクリーンルームの規格は世の中に複数存在し、その規格によって表される数字が異なることがありますのでいくつかご紹介します。
JIS B9920
1994年に日本で制定され、2000年に改訂された規格。清浄度クラスの表記はクラス1~9の9段階に分かれます。測定方法は 1㎥に存在する0.1㎛(マイクロメートル)以上の粒子がどれだけ存在しているかでクラスが分かれます。
FED-STD-209
アメリカ連邦政府が1963年に定めた規格。測定方法は0.5㎛以上の粒子を基準として、立方フィート(0.02832㎥)中の粒子数を元に測定します。表示クラスは1、10、100、1,000、10,000、100,000の6段階に分かれます。ただ、下記にあるISO規格ができたことにより2001年に廃止となっていますが、それまで長く使われていた規格であるため、現在においても使用されていることが多々あります。
ISO14644-1
1999年に日米欧を中心に世界統一規格として作成され2015年に改訂されました。クラスの表記や測定方法についてはJISの規格とほぼ同様です。
※1㎛とは0.001ミリメートル、髪の毛の太さが100㎛と言われており、スギ花粉でも20~40㎛と言われています。
クラスについて
目に見えない微粒子や微生物の数が100とか100,000とか言われてもピンとこないかと思いますが、自然環境を例にすると、クラス5(クラス100)だと成層圏にしか地球上では存在しないといわれています。
空気がとても澄んでいると感じる森林や海上でもクラス7~8(クラス10,000~100,000)ぐらいなんだそうです。
*弊社作業場はクリーンルームではありませんが、測定結果はこのクラスに相当します。
普段働いているオフィスでは、空調などの環境にもよりますが、実はクラスでいうと1,000,000以上になり、クリーンルーム化されていない工場においては、10,000,000以上ともいわれています。
自然界では存在しない綺麗な環境を、設備やルールによって作り出し、維持、管理することでクリーンルームという空間は存在しています。
いかがでしたでしょうか。
弊社は、店頭で商品を陳列するための販促物の組み立てや梱包を主として行いながら、医薬部外品や化粧品などを販促物にセットして梱包、発送するといった業務を得意としています。
紙製品や段ボール製品などの資材を使用する機会が多い為、異物(紙粉、埃、髪の毛など)の混入を防ぐための陽圧換気や右のエアーシャワー(右写真)、帯電防止シートなどといった環境の中で、よりクリーンルームに近い環境構築を意識しながら日々の業務に取り組んでおります。
ご興味がある方はぜひ弊社営業までご連絡いただけたらと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。