こんにちは。東京営業の柴田です。
私たちの業界特有の、用語の意味について解説する「販促用語集」のVol.23です。
今回は、第23回目ということで、「校正」に関する用語をご説明いたします。
※今回は、全3回の内、3回目になります。
(初回は、「販促用語集Vol.21「簡易校正」「本紙校正」「本機校正」って何ですか?」/2回目は「販促用語集Vol.22「色校正」「文字校正」「立体校正」って何ですか?」)
なお、本来の意味合いと異なるケースもあります。ご注意ください。
※ここでの「校正」の定義としては、主に印刷物を作成する際に、意図した内容になっているかどうかを、クライアント/制作会社/印刷会社が確認する為の出力物のことです。
※実は、そもそもの前提として、一般的に紙の印刷物は、パソコンのディスプレイ上の色と同じ色で簡単には出力できません。その日の気温・湿度・インクの種類・紙の種類(紙自体の白さ)に影響を受けます。
■「校了」(こうりょう)
・校了とは、校正の内容を確認し、それ以上修正の無いことを確認し完了したことを指します。
(解説)
・印刷物などの内容が、意図した内容になっているかどうかの確認がクライアントにとれた状態を指します。
・印刷物の場合には、「校正」が印刷された用紙に、「日付・担当者名」のサインを頂くことで、内容をFIXします。
・PDFのデータをPDF校正とし、データ校了とする場合もあります。
※この場合、色については再現性のお約束が難しく、レイアウトや文字内容を校了頂くカタチになります。
・最初の校正を「初校」、2回目を再校(二校)と呼びまして、ものによっては何度か校正を繰り返した後に校了となります。
※状況によりますが、万が一、内容に間違えが発覚した場合には基本的に校了したクライアント側の責任が重くなります。
※スケジュールに、校了後○○日という記載がある場合には、校了までは校正回数などによって期間がまちまちになる場合があるため、校了(内容がFIXしてから)何日という意味合いになります。
■「責了」(せきりょう)
・責了とは、責任校了の略称で、軽微な修正をもって校了をなるため、印刷を委託されている側の責任で修正を確認して進めて良いという意味合いです。
(解説)
・ほとんど校了といって良いが、一部の内容に修正があり、もう一度校正を出力する程でもない場合に、印刷の担い手側の責任で印刷を進めて良いと伝えることを責了と言います。校正を再出力する、費用や、期間(納期の兼ね合い)などの理由で、責了となるケースがあります。
・印刷の担い手側は、責了とクライアントから連絡があった場合には、クライアントの最終確認を無く進める事ができますが、念のため修正済みデータをクライアントに提出することをオススメします。
※状況によりますが、修正指示が反映されていないなどのミスがある場合には、印刷の担い手側の責任が重くなります。
■「印刷立ち会い」/立ち会い校正
・印刷立ち会いとは、実際の量産の印刷時に校了責任者が立ち会い、その場で校正を確認することです。
解説)
・メーカーのブランド担当者や、代理店のツール責任者など、色の善し悪しの決定者が、印刷物が量産される現場を訪問し、印刷物の刷り出し(量産をはじめる際に、色校正と見比べて色がマッチングしているかを確認する作業)を見て、色に問題が無いかを確認して進行する方法です。
・印刷機の目の前で待つことは、最近では少なくなり、同じ工場内の来客室などに印刷物を運んでもらい確認します。
・ブランドロゴ、パッケージや、タレントの肌色、化粧品の再現性、カラーコンタクトレンズの色など、特に厳密な色合わせが必要な場合に実施します。
・蒸着フィルムに印刷するグラビア印刷など、本機校正ができない場合に実施されるケースが多いです。
・工場への移動や、待ち時間などもありますので、校正の中でもかなり重めの内容になります。
まとめ
校正には、その方式によって必要な「コスト」「期間」「労力」に違いがあります。
色の再現性や、文字の内容など、状況に応じて優先順を決めて、最適な方式で確認を実施しましょう。
というのも印刷立ち会いも万能ではなく、微調整は印刷現場でできるもものの、その求めている色を再現するにはデータからの修正、用紙の変更など様々なバランス調整が必要になるからです。
また、普段何気なく見ている「赤」や「青」の色にも意味が込められており、創意工夫で再現されていることを知ると、印刷物の見方も変わるかもしれません・・・。
3回に渡り「校正」に関する販促用語をご紹介してきました。少しでも皆様のお役に立てればと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。