こんにちは。東京営業の柴田です。
販促業界特有の用語の意味について解説する「販促用語集」のVol.3です。
今回はお店のどんなところに設置するのかを商談したり、考えたりするときに
日常的に使う用語をご説明いたします。
なお、本来の意味合いと異なるケースもありますのでご注意くださいませ。
【エンド】
エンド棚、またはエンド陳列の略称。図1の色つきの部分。売場の中でも花形的な位置。その時々の季節感やインパクトを与えることで、ボリューム感を持たせた売場展開が可能となる。
例)今回の販促物は、エンド用ですか?
→今回の販促物は、目立つ場所、広い場所を使って陳列する想定ですか?
例)エンドを使って、母の日の装飾をしたい。
→エンド棚に、カーネーションを取り入れたり、母の日にギフトとしてどうですか?と訴求できる品や
カラーリングにして、季節感を取り入れて売場を盛り上げたい。またその要素で流通様と商談したい。
(解説)
エンド陳列は、この後に解説する定番陳列に比べて高さがあり、陳列する機能よりアイキャッチ機能が優先される場合が多いです。商品のビックダミーを作成したり、什器単体というよりはエンド全体を使ってどう売場自体を目立たせたり、活性化できるかという点を重視することが多い傾向にあります。新商品の発売時やリニューアル時、コーナー化時など特別なタイミングで作成するケースが考えられます。
【定番】
定番棚、または定番陳列の略称。図2の色つきの部分。競合がせめぎ合う激戦スポットであり、スペースが非常に狭いので、端的でインパクトのあるPOPが求められます。
例)今回の販促物は、定番用ですか?
→棚にしっかりと収まる形状をおもとめですか?高さや、奥行きの制限はどのぐらいですか?
例)定番の活性化ができるツールを考えてほしい。
→商品の陳列スペースはとれているが、ただ置いてあるだけになっている。
他社の商品と差別化して、目立たせてほしい。
(解説)
商品陳列や販促物設置場所の中で、もっとも多いといえるスペースが定番棚になります。一般的に陳列スペースは限られている為、なかなか新商品を置くスペースを取る場合も難しい場合が多いです。商品と陳列什器をセットにすることで、売場を確保する商談が行われます。基本的な棚サイズはW900mmなので、W300(棚に3個おける)W450(棚に2個おける)W900(棚に1個おける)什器を作成することになります。同じ考え方で、W600棚の場合は、棚に2個置ける想定でW300の什器を作成します。
また、W900といっても、実際にはW880mm程度で作成することが多です。(棚からはみ出ないように)
【カウンター什器】
商品を内部に陳列するタイプの棚置きの什器。販促什器の基本とも言える什器。
例)来年の4月に新商品を発売するので、カウンター什器を提案して欲しい。
→新商品発売時に、商品を陳列できる棚置き型の什器を提案して欲しい。
パッケージだけでは伝えきれない商品の魅力を伝えつつ、売場で目立たせて欲しい。
(解説)
商品パッケージだけでは表現しきれない、商品イメージをボード部分や、前垂れ部分で表現することで、商品特徴をより買い手に伝える機能を持っています。平たい状態で、店舗に納品されたり、商品同梱の状態で店舗に納品されたりと、目的によって様々な形状で作成することが可能です。化粧品什器では、テスターを設置して商品を試して頂くパターンも多いです。
【ハンガー什器】
別名は、吊り下げ什器。紐とSカン(引っかけるためのS字型のパーツ)が取り付いていて、棚がなくとも商品を陳列できる。
例)今回の商品は、定番に陳列スペースが確保できなかったので、ハンガー什器を提案して欲しい。
→新商品発売時に、なかなかスペースがなく定番棚に商品を置くことができないので、
お店の隙間やレジ前に設置することのできる吊り下げ型什器を提案してほしい。
(解説)
売場の空きスペースなどを利用して商品を陳列する際に活用できる形状。洋服をかける「ハンガー」から、吊り下げ型什器のことを「ハンガー什器」と呼称したものと考えられます。各社が様々の商品を発売しており、なかなか店頭には空きスペースできにく現在では活躍の機会も多いです。
ハンドクリームなどの季節商品や、ついで買いを狙った商品でも使用されることが多いです。
【フロア什器】
売場で単独で商品を陳列できる床置き(自立型)の大型什器のこと。
例)新商品発売時に、インパクトのあるフロア什器を提案してほしい。
→新商品発売時に、商品陳列だけでなく、登場感やアイキャッチ効果(目立つ)の高い自立型の販売台を提案して欲しい。
(解説)
店舗の棚にスペースがとれなくても商品を陳列できる、告知スペースを大きくとれるという特徴があります。この特徴から、新商品発売時にも活用される什器。「フロア」と略される場合もあるので、文脈で確認すること。お菓子売場や、飲料売場などで使用されるケースが多い。化粧品では、各社工夫を凝らしてインパクトのあるフロア什器を作成している。
最後に
設置場所に関する用語は、基本的にお互いがわかっている前提で進むことが多いです。
さらに言えば、設置場所は、什器それぞれの特性、なぜその形状にするのかという理由も暗黙の了解での理解が求められます。
しっかりと売場の特性を理解することで、売場に合わせた形状やデザインが提供できるようになります。逆に理解していないと、売場に設置自体ができなかったりすることになります。せっかく作った什器も設置できなかったら、そのまま破棄されてしまうことになってしまいます。
メーカーの担当者様は、異動などで売場の情報が不足している場合もあります。それでも。自分の商品の売場を見ているお客様に良い提案をする為には、普段から売場をしっかりとみたり、既に設置されたり過去に作成されている什器の情報もインプットする必要があります。より良い什器を提案できるように、日々新しい情報を取り入れていきましょう。