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2021.08.11ものづくり

折り紙で作りやすい形と陥りがちな思考

折り紙の基本形について

こんにちは。大阪紙器設計の原です。
今回は折り紙を創作する上で、最も重要な概念である「基本形」ついてお話しさせて頂きます。
基本形という概念は理解すれば非常に便利なのですが、便利であるが故に陥りがちな思考についてもご説明させていただきます。

基本形とは何か?

折り紙における基本形とは、様々な作品を作る上で汎用性の高い構造を指します。
言葉では分かりづらいと思うので実際の例をご覧ください。
下の例は「鶴の基本形」と呼ばれます。その名の通り折り鶴を作る際の構造になります。
この他にも「魚の基本形」「風船の基本形」「小鳥の基本形」「豚の基本形」等、様々な基本形が存在しています。

これらの基本形と呼ばれる構造に様々な折りを加える事により多様な作品を生み出す事が出来ます。例として今回は、私の作品の「鶏」と「スフィンクス」をあげさせて頂きます。
2つは全く見た目が異なりますが、鶴の基本形をもとに作り上げた作品です。

リアルな鶏ではなく、以前ブログで説明した「見立て」を強く意識した作品になります。特に翼の形状は実際の鶏と大きく異なりますが、あえて折り鶴の翼の意匠を残す事により、折り紙らしさを強調しています

こちらも鶏同様に見立てを意識した作品です。全体的にはエジプトのスフィンクスをモチーフにしていますが、羽が生えているギリシャのスフィンクスのイメージも加えています。

基本形に頼り過ぎない

作品を作る上で非常に便利な基本形ですが、実は大きな落とし穴も存在しています。
それは、基本形に頼り過ぎてしまい似たような物しか作れなくなってしまう事です。
基本形が幾ら便利とはいえ自由自在に作品が作れるわけではありません。手慰みで紙を折っているとついつい作りやすい構造の物を作ってしまい、似たような表現に行き着いてしまいます。
基本形はあくまで作品の雛型であり、そこにアレンジを加える事で様々な作品が生まれます。さらに創作活動を続けていけば、従来の基本形に頼らない独自の新しい技術と表現に辿り着く事も出来るはずです。

まとめ

「基本形に頼り過ぎる」という構図は、そのまま紙器設計にも当て嵌める事ができます。
私を含め、紙器設計士はついつい作りやすい形や、簡単に納品出来る構造にしてしまいがちです。
作りやすい形は概して悪い物ではないのですが、それに固執するのは決して褒められた事ではありません。基本を理解した上でより良い物を作る姿勢は勿論の事。
新しい構造や画期的な表現を模索し創造していく事が何よりも重要になりますので、常にそれらを意識してものづくりをしていきたいと心掛けています。

投稿者

原

企画開発部 西日本設計チーム

西日本設計チーム係長
特技は折り紙。好きな言葉は「枯れた技術の水平思考」

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