こんにちは。東京営業の柴田です。
私たち業界特有の用語の意味について解説する「販促用語集」のVol.7です。
今回は、販促物の梱包・輸送する際に使用する「段ボール箱の形状」の用語をご説明いたします。
なお、本来の意味合いと異なるケースもあります。ご注意ください。
【A式】
・「みかん箱」とも呼ぶこともあります。「段ボール箱」の代表的な形状で、底面・天面をテープ止めする形状です。
例)・今回の販促物は、A式で、透明テープで梱包してください。
→今回は、上下を止める形状の段ボール箱を使用して、上下を透明のテープで梱包してください。
(解説)
いわゆる段ボール箱のことです。と言って良いほど、多くの方がはじめにイメージする形状かと思います。
この形状にも名称があったのか・・・と思われる方もいらっしゃるのはでないでしょうか。
基本的な形状で、汎用製が高く、製造コストも安く強度も優れています。
特に指定がない場合や、特殊な形状でない場合にはこちらの形状で梱包するパターンが多かと思います。
【ヤッコ箱】
・たとう式とも呼ばれています。組み立て前は、折り紙の「やっこ」に似た平たい形状をしています。厚みの薄い、トップボードなどのボード類、等身大POPなどを梱包する際に使用します。
例)・今度作成するトップボードを送るときには、ヤッコ箱で梱包してください。
→今度作成するトップボードは、厚みが薄いのでA式ではなくヤッコ箱を使用してください。
(解説)
B式とは呼びません。B式は、B式で存在するのですが、今回は販促物の梱包で良く使用する形状を優先してご紹介しております。実は、A式は形状の問題で高さ(厚み)が薄い(目安としては50mm以下程度)ものを作成することが難しく、作成したとしても、接着している面積が少ないため強度が弱くなってしまいます。その為、トップボードや、等身大POPなどの梱包の厚みが薄いものは、ヤッコ箱や、次に説明するC式の箱を使用します。
メリットとしては、抜き型を作成せずに作成できる為、小ロットでも作成できることや、包み込むように梱包するので簡単にテープ止めすることができます。または、保管時には平の状態で保管できるので省スペースで在庫することができます。
デメリットとしては、上からの荷重にはそれほど強い形状ではないので大量に積み重ねる場合や、中身が重い場合には注意が必要なところです。
【C式】
・お弁当型、かぶせ型とも呼ばれます。ミとフタの2つのパーツで成りたつ形状です。
例)・今度作成する等身大POPを送るときには、C式で梱包してください。
→今度作成する等身大POPは、厚みが薄いのでA式ではなくC式を使用してください。
(解説)
ヤッコ箱と同様に、厚みの薄い販促物を梱包する際に使用します。
ヤッコ箱との違いとしてのメリットとしては、上からの荷重にヤッコ箱より強いところが挙げられます。また、A式との違いとしては、重いもの底が抜けるという心配がない形状になります。形状としてはギフト箱や、お土産のお菓子の箱にも使われている形状ですので比較的高級感のある形状になります。
デメリットとしては、中身の入っていない状態でも箱自体は完成してしまっているので、梱包作業前にも保管場所が必要になることや、比較的コストが高くなることが挙げられます。
【サンドイッチ】
・2つ折り(または3つ折り)などとも呼ばれます。板状の段ボールを二つ折りして、ポスターなどの薄手のものをはさみ込みます。中央にむかって、左右から折り込む3つ折りのもの指す場合もありますので、確認しましょう。
例)・今回のポスターは、サンドイッチで送ってください。
→今回のポスターは、輸送時に折れないように二つ折りにした段ボールではさんで送ってください。
(解説)
食べ物ではありません。ヤッコ箱に入れるほどの厚みも無いものや、ノベルティのカードなどを送付する際に使用します。板段ボールに、折り筋を入れるだけなので、抜き型不要で作成することができ、ヤッコ箱より低コストで作成することができます。デメリットとしては、大量に積み重ねることができないので、大量に輸送する際には、アウターカートン(外箱)が必要になることです。アウターカートンはA式で問題ないでしょう。
なぜ積み重ねることができないかと言うと、サンドイッチした中央部分が少しだけ膨らみますので、積み重ねる内に崩れてしまうのです・・・。
【2重梱包】
・段ボール箱を、一回り大きい段ボール箱の中に封入することを言います。アクリル什器や、電照什器・電子POPなど輸送時に破損の可能性があるものに使用します。※内箱と外箱の間に、スペースを取って、中空にする必要があります。
例)・アクリル什器を発送するので、2重梱包にしてください。
→アクリル什器を、破損無く届けたいので、什器の入った箱を、さらに外箱に入れてください。
(解説)
販促物をお店に届ける為には、運送屋さんに依頼することになりますが、トラックでの荷物の移動はかなりハードです。アクリル什器や、電子機器、照明機器を内蔵した販促物は、製造コストも高価になりますクオリティの高いものが多くなるかと思います。そのよう販促物、店舗に到着した際に破損して使用することができなかったら・・・、とても残念なことになってしまいます。このような事態を避けるために、2重梱包という方法で梱包します。実際の販促物が入った内箱を、家電商品を購入した際の箱にも入っているような「角あて 発泡スチロール」を使用して、中空の状態にした上で、外箱の中に梱包します。段ボール箱の費用が2倍以上になってしましますが、中身の製造コストを考えたり、再度送付したりする輸送コストや、販促物が店頭に無いことでおこる機会損失を考えれば安いものなのではないでしょうか。
2重梱包にすることで、中空のスペースが段ボール箱の中にできますので、輸送時に他の荷物がぶつかったりしても、内箱に衝撃が直接届かないようになり、安全性が向上します。
最後に
普段、何気なく段ボール箱、またはダンボールと呼んでいる箱にも、形状によって名称があることに発見があったのではないでしょうか。この段ボール箱は奥が深く、中身の重さや、内容により段ボールの厚みを変えるなど様々なバリエーションが存在します。必要以上に、頑丈なものにしてしまうとコストもかさみますし、店頭での処分も大変になります。
適切な強度、コストの段ボール箱を選定して、用意した販促物が店頭に安全に届けられるようしっかり設計していきましょう。また、最近では、輸送の為のダンボール箱がそのまま販促物になるなど、効率的な形状も考えられています。販促物の形状に合わせて、最適なダンボール箱を選定し、輸送コストも抑えつつ、店頭に無事に届けられるように気を付けていきたいですね。