2021.08.11ものづくり
販促什器のデザインで大切なこと。
東日本デザインチームの佐野です。この記事が初投稿となります。
皆さん宜しくお願い致します。
本日は当社の得意とする販促什器、そのデザインについて話していこうと思います。私自身が平面グラフィックの出身なので、平面と立体のデザインの違いにも焦点をあてた内容となっています。
平面のデザインから販促什器のデザインへ。やってみて分かったふたつの違い。
私の話。
私は元々、不動産関係の広告を扱う制作会社にてパンフレットなどの平面のグラフィックデザインを手掛けておりました。
東具に勤めて初めて立体物のデザインに関わることになるのですが、いわゆる平面もののグラフィックデザイナーとしての経験値をもって、店頭における販促什器のデザインに触れてみると、その考え方やアウトプットの方法のギャップを感じ、はじめのうちは壁に当たる日々だったと記憶しています。
当時の私は歴5年ほど、デザインという仕事の楽しさも厳しさも一通り経験したつもりでいたのですが、平面と立体、デザインの勝手の違いもあり、はじめはあまり通用しませんでした。
結論、ふたつの違いって。
平面デザインと販促什器のデザイン。
私が考える一番の違いは「奥行き感の難しさ」です。
パンフレットや、チラシ、ポスターといった平面のグラフィックデザインに関わる中で、私が表現として大切にしていた要素の中に「奥行き感」があります。一枚の印刷物はもちろん、奥行きの無い平面そのものなのですが、オブジェクトの重ね方や文字の置き方で前後関係を作ることで、あたかも奥行きがあるかのように見せていくことが出来ます。
一枚の紙の中で「奥行き感」を演出していく平面グラフィック。
実際に奥行きのある立体物である販促什器。
書いてみると当たり前なのですが、ふたつの違いはここにあります。
空間を把握し、見せ方を考えることが大切です。
見る角度、奥行きを考えてデザインする。
立体物である販促什器は、平面のグラフィックとは違い、奥行きがあるが故に見る角度によって表情も変わります。正面から見れば近接している要素でも、上から俯瞰して見ると離れて見えます。平面で見れば強弱の関係性が掴みづらい要素でも、立体的に段差をつけることで優先順位を操作することも出来ます。
ひとつの空間を捉えて、それぞれの要素を想像しながら配置していく作業が、この仕事の難しいところだと感じています。
商品とのバランスを考える。
販促什器は商品の陳列機能を兼ねているものが多く、商品を魅力的に見せていく器でなくてはなりません。
仕事柄、実際に店頭を見て回ることも多いですが、良いと思うものは、什器ばかりが主張しすぎるものでなく、パッケージが伝えきれない商品の魅力を、絶妙に補っているような販促什器です。
商品を知り、売り場を知ることが良いクリエイティブの一歩だと、今この記事を書きながらも再認識しております。
立体で見せる販促什器。店頭ならではの演出に注目。
今回は当社の得意とする販促什器のデザインについて書かせていただきました。
いわゆるマス向けの広告を踏襲していた時代から離脱し、店頭は独自の文化を築いています。その地域、その売場、そこに足を運ぶ人。実際のシーンを想定してアイデアが載せられた、効果的な販促物を見ると心踊ります。作り手の遊び心が垣間見えて、ちょっと笑ってしまうけど、たしかにその商品を認知するきっかけになっている。そんな成功例も見て取れます。
外出が厳しい時代ではありますが、店頭でぶらぶらしながら素敵な販促物を探すこと、楽しいと思いますので、是非お試しください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。