2021.09.14用語
【印刷用語】レジストレーションカラーって何?
はじめに
こんにちはデザイナーの久保田です。
印刷物にかかわるデザイナーでも意外と意識していない?
印刷用語である「レジストレーションカラー」について解説します。
レジストレーションカラーとは?
レジストレーションカラーとはCMYKの4色がすべて100%の濃度に設定されている色のことでトンボ(トリムマーク)に使用されます。
イラストレーターでトンボを作成すると、自動的にレジストレーションカラーでトンボが作成されます。
レジストレーションカラーの役割
レジストレーションカラーは各インキの刷り位置を合わせる目安にする為に使われます。
オフセット印刷ではシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順番で一色ずつインキが刷られていきます。
トンボ(トリムマーク・断裁指示)にレジストレーションカラーを使用することでCMYKそれぞれの版がずれていないかどうか確認することができます。
レジストレーションカラーの注意点
ズバリ「トンボ以外には使わないこと」です!
レジストレーションカラーはCMYKの4色のすべてが100%の濃度になります。
4色すべて100%の掛け合わせは大量のインキを使用することになり、トンボ以外の印刷部分に使用されていると、
印刷した用紙がくっつく、乾きが遅くなる、意図しない文字の太り、にじみ等、印刷上で思わぬ不具合が起きる場合があり注意が必要です。
イラストレーターでのデータ作成時の注意点は、トンボを選択した状態でオブジェクトを作ると、オブジェクトのカラーがレジストレーションカラーになってしまいます。
そうすると、知らない間にレジストレーションカラーを使って印刷物を作成してしまっていることがあるので注意が必要です。
画面上では見分けがつきにくいので、トンボ以外のオブジェクトにレジストレーションカラーを使わないように注意し、データ入稿時には確認をしっかり行なってから印刷会社へ入稿するようにしましょう。
イラストレーターでレジストレーションカラーを見分ける方法
初期の設定ではレジストレーションカラー(CMYK 100%)もK100%も画面上では同じで見分けがつきませんが、設定を変えることで画面上で見分けることができるようになります。
方法は、イラストレーターの環境設定「ブラックのアピアランス」から「スクリーン」の設定を「すべてのブラックを正確に表示」にすることで、レジストレーションカラー(CMYK100%)とK100%の画面上の見た目を変えることができます。
しかし、わずかな違いでしかないのでしっかり確認する必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はレジストレーションカラーについて解説しました。
入稿データチェック時に意外と見落としがちだったり、気にせずに制作している場合も多いのではないでしょうか。チェックが甘く、印刷範囲に気づかずに使用してしまうと思わぬ不具合が起きてしまう可能性があります。この機会にしっかり確認するように意識付けをしていきましょう!